整理整頓の鬼、権化と言っても過言でない友達がいる。
私の確定申告を魔法のように片付けた彼女だ。
どこに何があるか全て把握しているのはもちろん、
食器の間隔、マグカップの取手の角度まで決まっている。
彼女の留守中に私がこそっと取り出して、
細心の注意を払って元に戻した灰皿を、
彼女は当然のように把握していた。
私とは対極にある。
そこまでになりたいとは思わないが、
どんな意識を使っているのだろうか、
エッセンスくらいは取り入れたいものだと思い、
いろいろ聞いてみた。
なかなかに面白い話を聞けたのだが、
彼女が最終的に味わう感情は、
ああ、気持ちいい
だった。
全てのものが、収まるべき所に綺麗に収まる様は、
彼女にとってものすごい恍惚感を伴うようだ。
・・・・なるほど・・・・、
確かに私はそこまでの恍惚感を味わう間も無く、
作業も嫌々で、だからこそ億劫で、
延ばし延ばしにしがちなのだ。
片付いた時の爽快感、ここにフォーカスしようと思ったわけだ。
まずはとりあえず、その爽快感を喚起しといた。
うーわなにこれめっちゃスッキリ気持ちいいーーー!!!!!
これでよし、と。