「息子っち、かーちゃん寒いよ。」

「うん、寒いね。」

「たまには火つけてくれよ。」

「俺、火つけるの苦手なんだよ。」

「おまえ!そんなことでこの家の長男がつとまると思ってんのか!」

「思ってるよ。」

「ていうか、長男だってことに今改めて気付いたよ母。」

「俺もだよ。」

「寒いーーー。」

「寒いねーーー。」



ただ、椅子から立ち上がるのが面倒なだけの親子であった。