亡き父の詩吟の6mmテープ〈其の一〉 | YOU-DIE!!!オフィシャルブログ「BOOBEE」Powered by Ameba

亡き父の詩吟の6mmテープ〈其の一〉




うちの亡父は「開山」という名前で詩吟のレコードを出していた。うちのどこかにSPレコードがあるはずだ。いつも長風呂で風呂で「少年老やすく学なり難し〜」とか唸っていたので近所ではなかなか有名だった。後、親戚の宴会や結婚式などでは必ず父の詩吟のコーナーが設けられていた。あれは今思うと忖度なんだろうな。レコード以外にも父が歌った詩吟の6mmテープがあって、葬儀の時にカセットテープにしたのだが、カセットテープも今やなかなか聴けなくなってきたので、WAVデータにしておこうと思い、音の話ならってことで土門さんに相談してみた。聞いてみると、今なんと!世の中に6mmデッキそのものがほとんどないらしい。仮にあったとしてもメンテナンスしてないしヘッドもボロボロだからテープ巻き込んだりしたらマズイッてことで、テレビ局も大手ポスプロも怖がってプリント作業しないんだと。そこで、土門さんに導かれるままに今はなき渋スタの横にあるヨコシネに持って行ってデータ化をお願いした。「スターどっきりマル秘報告」のADの時、フィルムをテレシネする為に来て以来2627年ぶりに行った気がする。受付の可愛いお姉さんが丁度産まれた頃くらいかなぁ。確かにデータ化したいものは大体大切なものに違いないからメンテも行き届き常に使ってるヨコシネでやるのが最善だ。流石土門さん!ありがとう!持つべき友はベテラン音効さん!6mmデッキはヘッドも剥き出しだしデリケートだから巻き込んだりしたら大変だしね。それにしても僅か20年前くらいはテレビ局の生放送スタジオのSEやアタック音の音出し用として、また、MA時の音効用として、どこのスタジオからもキュッキュッキュッキュッと6mmのスクラッチ音が聴こえてきたものだなのに光陰矢の如しだ。キュッキュッとスクラッチ音鳴らしながら無音の音の隙間を探り、白とか黄色の色鉛筆でマークして斜めに切ってテープで継ぎ接ぎ音を尺に合わせてた。今思うと超アナログ!あれは思えばなかなかな職人芸だったなぁ。そんな6mmPro-toolsの登場と共に一気に消えた。音は今やデータだ。一方、映像はデータかXDcam、映像の歴史で言えば、フィルムからテープになり、俺が業界に入った頃からだと、シブサン、インチ、βカム、D2HD、そして、XDcam、今ここ。テレビ局はアーカイブをXDcamにプリントする作業を如何に効率良く安価でやるかに今知恵を絞ってる。プリント屋やったら儲かるだろうなぁ。いや、下請だから叩かれてやってらんないかもね。そしたら下請法を盾に訴えてやる!少なくとも今は放送の規格移行期につき、しばらく需要はあるだろう。個人的には近いうちにカセットテープの音をCD-R+データ化、VHSの映像をDVD-R+データ化しなきゃな。そしたらかなり家のスペース的にもタイトになる。もっと言えば更に場所をとっているCDやレコード君達、レコードはまだ良いとして。初期のCDはそろそろ寿命が来る。SpotifyaApple Musicもある今、ぶっちゃけ本当に必要ない。あるのはブツに対する愛着と想い出。それから何よりジャケへのリスペクト。正直ここは音楽好きでも意見の分かれるところ、俺は早く整理したいと思いつつなかなか取り掛かれていない。いつ思い切るのかタイミング待ちだ。やる気待ち!いつかひと思いに処分する日が来るのだろう。少なくともここ5年くらい家でCD聴いてないしな。というかCDデッキがそもそもない。PCにも最早着いていないし。唯一CD聴けるのは車の中だけ。でも車も既にBluetoothSpotifyになってるから必要なし。メヂィア整理して早いとこスッキリしたいもんだぜ。と粋がってみたもののそんな勇気はなかなか出ないな。コレクターではないが、一つ一つの想い出が半端なくその作業にはなかなか取り掛かれないでいる。取り掛かっても想い出噛みしめ涙したりして進まないはずだ。と、最早何の話だったか分からなくなったので〈つづく〉