音楽的に影響を与えた10枚のアルバム | YOU-DIE!!!オフィシャルブログ「BOOBEE」Powered by Ameba

音楽的に影響を与えた10枚のアルバム

10枚のアルバム


音楽的に影響を与えた10枚のアルバム。


Day1


ベイ・シティ・ローラーズ『エジンバラの騎士』


5つ年上の姉の影響で聴き始めたBCR、八木誠さんがディスクジョッキーを務める文化放送の「輝けBCR」をエアチェックし、BCRにどっぷりとはまった小学校低学年時代、ビートルズを知ったのもCM入りの音が「ミッシェル」だったから。放課後は友達とBCRごっこ、大体ウッディー役。「サタデーナイト」は全部カタカナで覚えてます。全ての始まりはこの一枚から!


Day2



THE ROOSTERS1stアルバム『THE ROOSTERS


出会いは小5か小6の頃、最初に聴いたのは「ロージー」、大分の七瀬川の土手を「ロージー」歌いながらチャリンコ漕いでた。学生時代はマイルーラというバンドでルースターズのカバー演ってた。ボーカル千代田、ギター俺、ベーストミオ、ドラムイサジ。人生で一番コピーしたのほ花田さんのギター。今もリーゼンツで演ってる。思えば長い付き合いになりました。


Day3



キャロル

『ファンキー・モンキー・ベイビー』


ガキの頃から風呂上がりはロックンローラーの親父とフルチンツイストが日課だった俺だけど、その頃は気の利いたロックンロールは洋楽ばかりで、日本では貧乏臭く説教臭いW臭い四畳半フォークや先進的で賢そうな面をして最後の場面ではタイマンもはれずトンズラこきそうなダッサイこと極まりないカレッジフォークみたいな音楽ばかりで二進も三進もどうにもブルドックなところにマジでホットでクールなキャロル登場!素肌に革ヂャンで不良性抜群!バイオレントでスピード感あってセクシーで、そうかと思うと甘くて切なくて、もう一気にハマりました。永ちゃんの男らしいビート感炸裂のロックンロールナンバーとジョニーの甘く切ない思春期の少年にグサグサと刺さりまくるナンバー、そのコントラストこそがキャロルの真髄。世界的に見てもここまでポップでカッコいいロックンロールバンドはマジでビートルズぐらいじゃないかなー?


Day4



Stray Cats

Runaway Boys


ワイルドなのに甘くセクシーなロカビリーバンドが突然目の前に出現サウンドとヴィジュアルで一発で持ってかれました。以来40年近く聴いてます。学生時代は『有罪』というロカビリーバンドでカバーし、今はYOU-DIE!!!&The Regentsでカバー!今聴いても当然カッコイイ!このアルバム作った当時、ブライアン・セッツァーは19か二十歳くらい、どうやってあんな凄まじいロカビリーリックを身につけたんだ?!未だに弾けないよ。いつかキチンと弾けるようになりたいものだ。


Day5



EDDIE COCHRAN

C'MON EVERYBODY THE BEST OF EDDIE COCHRAN


オールディーズと呼ばれるものから徐々にロカビリーに的を絞って、もっともっとワイルドなロカビリーはないかと思ってた時に、エディ・コクランを聴いて、バチコンとハマった。求めてたサウンドと声はこれだ!とゾッコンになりました。カモン・エブリバディにサムシンエルス他リーゼンツでは散々演らせてもらってますね。21歳という早過ぎる死はティーンエイジャーの俺に重くプレッシャーとしてのしかかりました。なんで21歳であんなギター弾けるん21歳で死んだアーティスト、エディ・コクランとシド・ヴィシャス、エディのようにギターは弾けないから、シドのようにやるしかないと思い込み、ご迷惑をおかけしたこともありました。


Day6



Gene Vincent and His Blue Caps

The Screaming End: The Best Of Gene Vincent


Be Bop A Lulaはもちろん知ってたけど、Pink Thunderbirdを初めて聴いた時、ぶっ飛んだ。こんなカッコいいロカビリーバンドがいるんだ、と。Blue CapsCliff Gallupが放つギャロッピング奏法にGene Vincentのエロいボーカル、もう完璧です。ピチャピチャのリバーブにトロトロのボーカル、もう多摩蘭坂!Blue Gene Bopのイントロから早くなる瞬間にロカビリーの秘密が詰まってます。学生時代に演ってた有罪、そして、その後、リーゼンツでもかなりカバーさせてもらいました。Woman Loveなんて珍しい曲も演らせてもらったけど、あれ演っただけでエロ過ぎてぶっちゃけイッてしまいますね。エディ・コクラン同様、アメリカよりもイギリスでの人気が高いのもとても良いですね。The BeatlesThe Rolling Stonesはもちろん後のPUNKにも影響を与えてます。


Day7



Elvis Presley/Elvis


記念すべきエルビスのメジャー第一弾アルバム!そう!エルビスなんです!プレスリーじゃないんです!エルビス!なんです。子供の頃のプレスリーのイメージはぶくぶくに太った旬を過ぎだロックンローラー、カッコ悪いロッカーの代名詞のような存在でした。今聴くとその頃の曲も良い曲なんだけど、朗々と歌いあげてなんだかなー、とか思ってた。でも、このアルバムを聴いて、ぶっ飛んだ!大体ぶっ飛ぶね!ロックンロールは。いや、確かにぶっ飛んだ。50年代のエルビスは、こんな凄かったんだ。というのが正直なところ、YouTubeなんてものもないから、とにかく自分でDigるしかない。プレスリーと言うとどーしても晩年のドーナツ食べ過ぎて太った(と言われてた)プレスリー思い出すから、それからは「エルビス」ど呼ばしてもらってる。ビーカップもマンプリンも他のどのロカビリーシンガーより凄い!天才、唇で音を以て遊んでる。唇のマジシャン、あれだけ音符を操って、それに合わせて腰でビートを刻めば、ティーンの少女じゃなくても持ってかれるよ。あのひん曲がったクチビルはロックンローラーの基本中の基本になったし、内股で刻む小粋なステップもスタンダードになった。ビートに合わせて揺れる腰ももちろん!全てがセクシーなんです!完璧です!ハイ、天才。圧倒的過ぎる。もうマジで言うことなし!!


Day8



Sam Cooke

Live at the Harlem Square Club, 1963


90年前後、渋谷ジァンジァンかどこかで『Monterey Pop Festival』の映画『Live at Monterey』を観に行った時、動くOtis Reddingを初めて観た。Jimiを観に行ったのにOtisまで観れてマジで得した気分だった。緑のコンポラスーツでパワフルに地団駄踏みながらガッタガッタシャウトするOtisにマジでやられ、その後『Live in Europe」ばかり聴き『Try a Little Tenderness』に涙し、Otisこそ最高のソウルシンガーだと思っていた。そんなところに、「彼がお手本にした凄いシンガーがいるんだ」と先輩に言われ、「誰すか!?そいつは!?」と聞くと「サムクック」と言う。なんてポップで美味しそうな名前なんだ?と思いつつも早速聴いてみた。正直なんだか綺麗でそつのないポップなソウルミュージックだな〜、くらいにしか思わなかった。何度か無理して聴いたけど、The Soul Stirrersでゴスペルを歌ってた素晴らしいソウルシンガー、サム・クック、ということで俺的には十分かな〜、やっぱオーティスだな、と思ってたところに、このHarlem Square Clubでのライブアルバムの存在を知り、初めて聴いてもう完全にぶっ飛んだ!(大体ぶっ飛ぶ!)「なんじゃこりゃ〜!?」というのが最初聴いた時の感想、正直騙された、というかこれまで俺が聴いてきたサム・クックは何だったんだ!?と思った。あまりにも粗野で野蛮なハスキーボイス、黒人クラブで黒人に向けてシャウトするサムは心底凄まじかった。本気で歌うとこんな感じなんだ。英語の発声の仕方もシャウトも全く違うし、唸り声と声の伸びが半端ない。ボブ・マーリーとかにも同じことを感じるけど、人間の声帯というよりは獣に近い感じ、ライオンのシャウトや狼の鳴き声のようだ。もう良いとか悪いとかじゃなく、ストレートに胸のど真ん中にズドンとくる。そこに詩が入り込みただただサムのソウルに打ちのめされる。抗いようもなく全部持ってかれる野蛮なソウルミュージック。あのままHarlem Square Clubを聴かず、サムを誤解したままで人生を終わったら死にきれず化けて出たと思います。このアルバムと出会えて心から感謝します。数え切れないほど聴き込み頭に擦り込んだアルバム。是非一人でも多くの人に聴いてほしいと思います。


Day9



Jimi Hendrix Experience

Are You Experienced


ぶっちゃけ、ジミヘンが一番好きです。カバーしても無駄だし弾けるわけないし、同じ音符弾いても全然音違うし意味ないし、DJの時も曲が圧倒的過ぎて繋げにくいからかけないし、そんな印象ないと思うけど、ぶっちゃけジミヘンが一番好き。


もしなれるなら、ウルトラマンより仮面ライダーよりジミヘンになりたい!


ジミヘンに初めて出会ったのは大分駅前のリズムレコード、リズムレコードは毎月誕生日になるとお小遣い握りしめて、気になるアルバムを試聴させてもらって買ってた唯一の俺の情報源。エトウ南海堂というレコードショップもあったけど、小学生のガキに試聴させてくれるし、俺は専らリズムレコードに行ってた。あと、リズムレコードの凄いところは英語表記が「 RIZUMU RECORD」だったところ。


いい加減過ぎるだろ!?


ベイシティローラーズは姉貴が買ってたから、そんなリズムレコードで俺が最初に買ったのは、記憶が正しければ、パット・マッグリン&スコッティーズの「パット・デビュー!あの娘はアイドル」。いつもなんか新しいものはないか遊びに行ってた。あの頃ははっきり言ってそれが全て。


ある日リズムレコードの前を通ったら店の前の27インチくらいのテレビモニターで爆音でギターを弾いてる黒人がいて、釘付けになった。それが『Woodstock Music and Art Festival』のジミヘンの「星条旗よ永遠なれ」、もう凄すぎて、スペーシー過ぎて、完全にトリップし釘付けでした。二十代らしいけど、大人になったらあんな風に弾けるかな?と思い、よくよく聞いたら27で死んでもういない、という。初めて衝撃を受けて、最高と思った瞬間にその人ばもうこの世にいないと知った衝撃、なかなかガキには解決しづらい問題だ。


その後、東京に出て、渋谷ジァンジァン?で何度も観た『Monterey Pop Festival』を大画面で爆音で観て更にハマり、兎に角ジミヘンが一番でした。大学でミュージック・ファン・クラブ(MFC)という音楽サークルに入るが、最初の自己紹介プロフィールの好きなアーティスト欄には「ジミヘン、ストーンズ 」と書いた。結局、ジミヘンやろーぜ!なんて人はいなくて、まー弾けもしないが、結果、「マイルーラ」というめんたいロックバンドやってて、それが自分的にはとてもハマってた。


エディ・コクランとシド・ヴィシャスが21歳で死んだと知って、21歳までになんかやんなきゃと焦って、つまらんことばかりして何も変わらず普通に21歳が過ぎ、その後は、ジミヘンが死んだ27までに何か形にしなきゃと切羽詰まって、何もミラクルなことも起こらないうちに27が普通に過ぎて、以来、特に気負うことなく齢51になりました。


いやーめでたしめでたし。


という訳で第九夜はJimi Hendrix Experience.の『Are You Experienced


ジミ!僕は経験したよ。


死ぬまでにジミヘンの百分の一でも弾けるようになったらいーなー。


Day10



The Rolling Stones

The Rolling Stones


10日めはThe Rolling Stonesの記念すべきファースト・アルバム『The Rolling Stones』。「ッカタッタ」というシンコペノリでルーズにロールっぽいタイトなスネアから入る『Route 66』、自信漲るサウンド、疾走感溢れる素晴らしいロックンロール。続く「I Just Want to Make Love to You』はどのパンクロックよりもパンクだ。こんなテンションで演奏できることが凄い。同じテンションはどのバンドだって出せない。「洗濯をしてほしいわけじゃない、家を綺麗にして欲しいとも思わない、もちろん、お前のお金なんて欲しくない、俺はただお前とやりたいだけ」と歌うWillie Dixon がかいたブルーズナンバー。最高だ! ロックンロールの全てが詰まってる。Muddy Watersのカバーだがあまりにもアレンジが違い最早これはオリジナルと言っていい。歌詞を替えればオリジナルで出せるのにキチンとカバーとしてクレジットするとこがストーンズ の凄いところ、ブルースやR&Bなど自分たちが影響を受けた先人達に対するリスペクトがハンパない。だからマディをはじめしたブルーズマン達は自分たちの音楽を世界に広めてくれたストーンズ に心から感謝している。兎に角、この頭の二曲で完全にやられるよ。2ラウンドKO!後はパンチドランカーのようにただただ音に身をまかせるだけ。A面ラストはリーゼンツでも頻繁に演奏させてもらってるロックンロールナンバー『Little by Little』、これなんとウォール・オブ・サウンドのPhil Spectorとの共作。この辺りはアンドリュー・ルーグ・オールダムのプロデュースな感じがする。B面には師匠Chuck Berryのカバー『Carol』、本家に勝るとも劣らない仕上がり。キースがプロデュースした87年のドキュメンタリー映画『Chucy Berry HAIL! HAIL! ROCK'N'ROLL」では、この『Carol』のイントロを本家チャックにダメ出しされるシーンが。キースだって当時の時点で既に四半世紀近く『Carol』を弾いてるのに、可哀想。「それは違う、こうチョーキングするんだ!」と繰り返しやられる。金まで出して映画プロデュースしておまけに怒られて踏んだり蹴ったりだけど、それでも先人にスポットライトをあてようとするキースに感動します。義理人情やね〜。そして、Mick Jagger/ Keith Richard名義の初のオリジナルナンバー『Tell Me』、とても可愛い曲でイギリスっぽい。この曲がアルバム中唯一のオリジナル曲。デビューアルバムがほぼカバーなんてバンド普通いないよな。ストーンズがどれだけブルーズやロックンロールを好きだったかわかる。ただ、大好きなロックンロールを演りたかっただけなんだろうな、この頃は。アルバムの最後を飾るのは、Rufus Thomasのカバー『Walking The Dog 』、ストーンズ の楽曲は全てそうだが、イントロが小気味いい。この曲もリーゼンツでよくカバーさせてもらってます。初期のストーンズではやはり、ブライアンのプレイが冴え渡っている。ギターはもちん、ブルースハープの腕前も抜群だ。なんで21,2歳であんなプレイができるんだ?昔の人は本当に若い頃から上手い。何故なんだ?やっぱりカバーは楽しいよな。もちろん「Sticky Fingers」も「Let It Bleed』だって、て言うか全アルハム大好きだけど、ロックンロール好きな気持ち一発で勢いで作ったこの迸る有り余った溢れんばかりの若いエネルギーが詰まりまくったこのファースト・アルバムが大好きなんです。