『昭和UFO』阿武誠二(ギターウルフ・セイジ)トークイベント | YOU-DIE!!!オフィシャルブログ「BOOBEE」Powered by Ameba

『昭和UFO』阿武誠二(ギターウルフ・セイジ)トークイベント

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ギターウルフ・セイジ
トーク+サイン&チェキ会

4月29日(昭和の日)BIBLIOPHILIC & bookunion 新宿

■出演:阿武誠二(ギターウルフ・セイジ)/YOU-DIE!!! 

昨日4月29日は昭和の日!

ギターウルフのセイジさんに彼の名著「昭和UFO」について話を聞きました。

インタビューしながら腰を据えていろいろ話すつもりが、
二つめくらいの質問からセイジさんは興奮して立ち上がり、
完全に「昭和UFO」独演会状態、
一つの小噺が終わったな、と思った瞬間、
「続いては、メンフィス黒人二人組の話」とか合いの手入れると
またしばらく独演会。
革ジャン革パンで汗流しながらステージさながらに
身振り手振りで面白トークを炸裂させてる
セイジさん、かなりシュールで面白いなぁ、などと思いながら見てると
話が終わり、
グラサンの隙間から横目で「次は?」みたいな雰囲気出すので、
「ガレージショックからエリックとの出会い」とかお題を言うと
また爆裂面白トーク!

なんなんだこの感じ、講談とかに近い感じか。
途中ギターでぺぺンペンペンペン♪
とか「イヨーォ」とかお囃子入れれば良かったな。

一つの話が3分間のロックンロールのようによくまとまってる。
AメロBメロサビいってソロ、
興奮し話が脱線して
「なんの話だっけ?」と聞かれ、軌道修正。
ほとんど質問もせず次のタイトルを言うスタイル、
なかなか斬新で面白かった。
 
「メンフィスの黒人二人組」の話では、
当時ギターウルフのライブでも椅子に座ってるブルースを演るほど
ブルースに 取り憑かれていて
うわ言のようにクロスロードと言ったり、
今思えば最高なブルースナンバーなんだけど、
ストーンズの「Love in vain」を偽物だと言ってみたり
熱病にうなされたように酷くて
ある日、本場のブルースを見ようとメンフィスに行き、
メンフィスでとある黒人二人組と出会う。
(どんな事件があったかは『昭和UFO』参照)
メンフィスから帰ってきてからはブルースが綺麗サッパリ抜けて
本来好きなロックンロールやパンクに戻った。
ホントにホッとしたよ。
それでできた曲が「惑星ブルース」とポーズをキメた瞬間

一同大爆笑!

「あっ、ブルースじゃん!今気付いた!

天才だな。

「原宿」話では、自分にとって原宿がどれくらい大事か説明しようとし、
「もしアメリカにハワイと原宿を交換してくれ、と言われても、絶対に交換できなーい!それくらい俺にとって原宿は大事な街なんだ!」
と宣い、またもや一同大爆笑!

やっぱセイジさんぶっ飛んでるな。

『昭和UFO』でも途中回想だか空想だかわかんないけど
ストーリーが飛躍しすぎて古事記とか
昔の伝説みたいな話に膨らんでいくのが
ギターウルフの歌詞みたいで面白かった。

ステージでは『ドーベルマン刑事』や『リングにかけろ』『硬派銀次郎』『朝太郎伝』みたいな70年代ジャンプな硬派な感じあるんだけど、
なんか着地が『マカロニほうれん荘」とか『がきデカ』的な70年代チャンピオン的爆裂ギャグ感あるところがセイジさんの面白いところ。

まぁ、それこそがロックなんだけどね。

あと、アメリカの税関で職員とハーレー、カワサキ対決する話も国民性が出てて面白かった、
アメリカに行って、プライド持って日本背負ってるギターウルフは本当にカッコイイと思う。

税関と言えば、98年かな?ギターウルフのアメリカツアーを取材した時、
EPのビニールカバーを忘れたらしく、
当時のマネージャーはっちゃくに頼まれ大量のEPビニールカバーを持って行ったとこがある。
当然ながら税関で「それはなんだ!?」という話になり、
「旅行がてら友達のバンドを観に行くんだけど
彼らがEP盤のビニールカバーを忘れたので届けるんだ」
と言うと、怪訝そうな顔でジロジロ見られる。
ヤナ感じだなこのあんちゃんと思ってたら、
奥にいた上官と思われる綺麗な女性が
俺がその時着ていたクランプスの「STAY SICK」Tシャツを指差して
「あなたクランプス好きなの?」
と聞いてきたので、
「大好きだよ!これから観に行くギターウルフって日本のバンドはクランプスのオープニングアクトを演ったバンドなんだよ」
と言うと、
「それは凄いわね、私もクランプスは大好き。行っていいわ」
と何なく通してくれた。
最初のあんちゃんも仕方なさそうにどーぞ!と。

クランプスとギターウルフのおかげだ。

みんなにも『昭和UFO』読んでほしい。
パワーが漲る話から甘酸っぱい気持ちになる話、幼少期のノスタルジックな話
あっという間に読めるジェットロッキンロールティーンネイジ群像劇です。

少年時代の話から原宿時代、ギターウルフになってから、と
時代順に並んだ珠玉のエッセイ集、
メンフィスの黒人二人組やガレージショック、
メンフィスエリック、初のレコード、
クランプスオープニング・アクト、
そしてビリーさんの話などなど、盛り沢山だ。

ギターウルフと出会って四半世紀

まさか文豪阿武誠二先生に話を聞くとは思わなかった。

大したもんだ。