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ローリングストーンズ 相反の美学

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赤靴で、日本のロックの父、石坂敬一氏(ワーナーミュージック・ジャパン名誉会長)と、日本のブラック・ミュージックの父、折田育造氏(元ワーナーミュージック社長、元ポリドール社長)のトークセッションが行われた。

リアル・ロックンロール・ヒストリー~20世紀文明史的考察シリーズ第3回 「ローリングストーンズ 相反の美学」。世界最高のロックンロールバンド ザ・ローリング・ストーンズについて語り尽くす夜。

ストーンズはいつもワイルドサイドにいた。メインストリートから少し外れてた。60年代にはビートルズが、70年代にはレッド・ツェッペリンやイーグルスやピンク・フロイドが、後半はパンクにディスコetc. 、いつも他の誰かが主役だった。ストーンズが本当の意味で世界一になったのは90年代に入ってからなのかもしれない。keep on rockin'!続けてきたから一番になった。逆に言うと周りがやめていったんだ。こう言うと徳川家康みたいだな、全然ロックじゃないぜそれ。まぁいいか。ミックの資産は400億、キースの資産は300億だという。それだけの富を築き、名声も十分にある。なのにロックし続けるのは、転がり続けるのは、ロックが凄く好きだからなんだと単純に感心する。It's only ROCK'N'ROLL,but I like it.

アレクシス・コーナー学校の中では落ちこぼれの方だったチャーリー、ビルは男らしいロックなベースを弾く良いベーシストだが、テクニシャンではない。そしてキース、リフ名人ではあるが極めて不器用だ。これらのメンバーをまとめアンサンブル中心のロックにまとめたミックの功績は凄い。初期はブライアンの功績か。そこには冗長なギターソロもなければ、派手なドラミングもない。アンサンブルの上でミックは歌い続け踊り続けなければならない。ステージに置けるミックの負担は大きい。最も自分でそれを課したのだが。

そんな彼らは反逆の象徴として、若者の代弁者となるが、ビートルズに対抗した不良のイメージを作ったのは、マネージャーであったアンドリュー・ルーグ・オールダムの手腕だ。彼は石坂さん曰く世界初のプロデューサー型マネージャーだと言う。昼はデザイナー マリー・クワントのマネージャーをやり、夜はモッズの溜まり場フラミンゴ・クラブの顔役だった生粋の遊び人アンドリューはブライアン・エプスタインの元でビートルズのプロモーション担当となり、業界のイロハを学ぶ。フィル・スペクターのサウンドに惚れ込み、「ウォール・オブ・サウンド」というフレーズを考えたのもアンドリューだという。何より驚くのはこの時点でまだ十代だったということだ。その後、ストーンズと出会い、アンドリューは彼らを不良のイメージに仕立て、イメージに合わないイアン・スチュワートをクビにした。ジャガー&リチャーズに作曲をさせ、ビートルズから名曲「I wanna be your man」をもらい、アメリカ進出、ブライアン失脚、全てアンドリューが仕組んだことだ、これまでのマネージャーとは決定的に違う。最終的にそんなアンドリューさえウザくなったミックはアンドリューを追い出すのだが、ミックはやはりNo.1じゃなきゃ気が済まない男なのかも知れない。最終的に一番になる男。本当か嘘かわからないが、最後はアンドリューが「Hey! Mick」と呼び捨てにしたからクビにしたという話もある。

オスカー・ワイルドのファッションや言動を真似、デカダンスと黒人音楽という相反する世界観を結び付けたミック・ジャガー。これは過去にどの評論でも説かれていない石坂さん独自の持論だが極めて合点がいった。相反の美学。もちろんデカダンスに加え、英国人特有のダンディズムもそこには兼ね備えている。ダンディズムとデカダンスは表裏一体だ。要するにツッパリだね。ツッパってなきゃダメだ。折田さんが「坂口安吾や太宰なんかもあれはデカダンスの範疇だろ?」と問うと、「貧乏臭いのはダメだ」と一刀両断。精神が貴族じゃなけりゃダメなんだ。武士は食わねど高楊枝。武士道にも通じるな。武士と浪人。気高くなきゃいけない。オスカー・ワイルドの言う通りだ。「自分らしくあれ。ほかの人の席はすでに埋まっているのだから」。そうやって考えると加藤和彦さんの有名なキャッチコピー「ストーンズを嫌いな奴は信じない。世界中の誰だって」も究極のダンディズムだな。切り捨て御免だ。高橋Rock Me Babyが石坂さんが原稿を虫眼鏡で観てたのを指して、「石坂さんの虫眼鏡もダンディズムですか?」と突っ込んだら「つまらんことを言うな」と一刀両断!昭和の親父はかっこいいぜ。後から高橋Rock Me Babyに聞いたらシャーロック・ホームズの真似らしい。ダンディズムだな。照れ臭かったんだろうな急に突っ込まれて。虫眼鏡はイカす。そのあと、デカダンスからパンの話になった頃から話がよくわかんなくなったけどあれは何だったんだろ?文学の話から直結したもんだから、折田さんが「パンって何のパン?」と聞いたら「食べるパン」と石坂さん、あれはあの日一番笑ったなぁ。

テーマ的に折田さんが遠慮がちだったから今度は折田さんのど真ん中のブラック・ミュージック、特にアーメット・アーティガンの話を聞いてみたいなぁ。まぁ、でもそれはテーマ的に弱いかも知れないから長めのランチで個人的に聞いてみたい。
 
当たり前のことだけど、レコード会社のトップをはってた二人がこれだけロックミュージックに造詣が深く、ロックミュージックを心から愛していることに素直に感動した。

結果当たるのはいい。でも一発当てようとしても意味がない。好きだから売ろうとするんだ。好きだからみんなに知って欲しいんだ。

バンドマンは一発当ててやるぜって思ってるくらいの方がいいが俺たちは違う。

俺たちは株屋じゃない。
生身のミュージックを愛してる。

好きなミュージックを少しでも多くの人に広めたいだけなんだ。

結果スターになる奴もいればそうじゃない奴もいる。
どっちも愛してる。

ひとつ聞きたいことがあるんだ。

愛し合ってるかい!?