今回書いていくテーマは非常に違和感や嫌悪感を覚える方もいることを承知して書くつもりである。実際の現実には起こりうるまたは起こっていることなので十二分に承知していただきたい。


多くの受験生に接する中でふと思ったことがある。

受験生の中には、「やればできる。」、「本気でやればできる」などスポーツ精神の一種からでる言葉を連呼する生徒が多くいる。確かに彼ら彼女の意見を聞くと「今まで部活や趣味に没頭していたので、勉強を本気でやったことがない。だから今から本気でやればうまくいく。」と


私はそんな彼らの意見・主張は否定したくない。模擬試験の偏差値だけで判断するのはおかしいこともわかっている。しかし、医学部合格は精神論だけでは語れない難しさを含んでいること

を理解してほしい。


浪人生や社会人など高校生以外の受験者が圧倒的に多い医学部受験の世界では、並大抵の努力では入学を勝ち取れない。河合塾の全統記述では偏差値72あっても必ず入学できるわけではない。


河合塾のスーパー医進コースの入学基準は全統記述偏差値72.5以上である。確かにこのコース自体、東大理科Ⅲ類、京大医学部、阪大医学部、慶應医学部、慈恵医大など超難関医学部対象であるが、合格率は70%程度である。


模試の偏差値だけで言えば、彼らは十分医学部に入学できる。しかし、現実無理な部分は多い。様々な理由が考えられる。


今の医学部は模試だけができる生徒はいらないという方針が出ているように私には感じてならない。


私だけでなく受験生の神と崇拝されている和田秀樹先生の著書「医学部に合格する生徒が必ずしていること」の裏カバーに「医学部ほど個別対策が必要な学部はない」と書いてある。


名古屋大学や九州大学などの難関大学でももちろん戦略が必要となるが、医学部受験では

特に戦略が必要となる。


そのことをわかっている生徒ほど短絡的な発言が少ないし、少ないどころか全くないに等しい。


自分の本当の学力をはかるテストはなかなか見つけられない。

受験は点数さえ取れば、合格できる。しかし、面接や小論文では思想や考え方(医学にふさわしいか否か)も見られていることもぜい留意してほしい。