気温が上がるとともに動植物の動きも
活発になってきましたね。
綺麗な花やかわいい動物もそうですが、
中には私たちを困らせるものや、
嫌悪感を持つものも目につくようになりますね。
蜘蛛もあまり好きではない方が多い虫ですね。
でも蜘蛛は益虫とされています。
商売繁盛を呼び込んだり、朝の蜘蛛は吉兆とされたりします。
実際、蜘蛛は益虫なんですよ。
蝿、蚊、ゴキブリなどの害虫を食べてくれます。
なのに好かれていないのは、何故でしょう?
あの見た目やベタベタする蜘蛛の巣のせいでしょうか?
蜘蛛の巣に他の虫が捕えられている様も
見ていて気持ちの良いものではありませんよね。
そんな蜘蛛の巣ですが、実は物凄い能力を秘めています。
鋼鉄の4〜5倍の強度があり、
繊維を引っ張る方向の強靭さはダイヤモンド以上なのだそうです。
300℃の高熱に耐え、昼行性の蜘蛛の糸は紫外線で強化され、
柔軟性・伸縮性に富む、他にも様々な特性があります。
こうした蜘蛛の糸の量産化は、蜘蛛の人工飼育が難しいので
なかなか実現されなかったのですが、
2013年に日本のベンチャー企業が、
微生物を使っての大量生産を可能にしました。
その後、2017年に理化学研究所が類似的なポリペプチドを
化学的に合成する事に成功しました。
(微生物を使うよりコストが掛からないそうです)
その後も研究・開発は進められていて、
既にいくつか流通している商品もあります。
面白いと思ったのは、
バイオリンの弦や光ファイバーとしての使用です。
医療分野での活用はかなり期待できるのではないでしょうか。
ぶつかっても怪我をしない車の開発にも利用されてるようです。
様々な可能性を秘めた蜘蛛の糸ですが、
タンパク質でできているので生分解性に優れています。
このため、石油由来の製品の代替え素材としても
注目されています。
いつか、ナイロンやポリエステルから
蜘蛛の巣の繊維へと変わる未来が来るかもしれませんね。
凄い、凄い、と思っていた蜘蛛の糸ですが、
実はもっと強い糸を作る虫がいると分かりました。
それは、ミノムシです。
私たちが自然から学び、与えられるものは、
まだまだたくさんありそうですね。
それに気付ける感受性の豊かさと、感謝出来る謙虚さを、
人は持ち続けていかなければと思います。
私は凡人なので、
なかなか気付く側には立てないかもしれませんが。
とりあえず、無闇に虫を忌避しないようでありたいです。
(残念ながら得意ではありません)