小さい頃、私は二番目だった

正確にはそうではないかもしれないが

私はそう感じていた

私には姉がいて

姉は妹の私がいうのもなんだが

可愛らしく、愛嬌もあり

まわりからとても可愛がられていた

私はどこかで姉を

羨ましいと思っていたのかもしれない

天真爛漫で可愛らしい姉とは違い

引っ込み思案で人見知りだった

私は明るくて、人懐っこい姉のように

なりたかった





両親は姉も私も平等に可愛がっていたが

私は心の中のどこかで

姉の方が可愛いと思っているに違いない

と思い、勝手に寂しさを感じていた

誰かにもっと必要とされたい

そう思っていた





私がまだ中学に上がる前の頃

単身赴任していた父が
久々に自宅へ帰ってきていた時

父の携帯が鳴った

姉はその携帯を何気なく手に取り
中をのぞいたのだ


すると、そこには小学生の私でもわかる
見てはいけない父の不誠実な一面があった


父は当時出会い系サイトで知り合った女性と
連絡を取り合っていた


それを姉に見つけられるという
なんとも嫌な発覚の仕方だったが


その時の出来事はよく覚えている

母は激怒
父は何も言えず、ただ謝るだけ
顔は真っ青だった
姉が見つけたこともあり
姉も私も同じ空間で
父と母の修羅場を見るはめになった


私はこの時
浮気、不倫、というものが
どれほど人を傷つけるのか
今まで築き上げてきた信頼関係を
いとも簡単に崩してしまう
破壊力があることを知った



そして、私は
男は浮気、不倫をするものだ。
と、どこか諦めに似た感情とともに
それに対する嫌悪感を強く抱くようになった