海の惑星
これは いつの 時の 楽しい声か
山や 森の 木々に捕らえられ
空に昇らず 消え失せずに
川 海 を 経巡り
ここに 届いた
私の発した 声は
ビルの壁に こだまして
ビルの森に 捕らえられ
やはり 空に 昇れないでいる
声は 空気を 震わせ
震える 空気は 熱を 帯び
熱は 雲を 呼ぶ かも知れぬ
声の 惑星は 彷徨する
これは いつの 時の 海か
波は 波を 追いかけ 波は
波を 追いかけ 波は 波を
追いかけ
動かぬ ものは 捕えられる
尊大な ビルも
たくましい 鉄橋も
うち気な 地下鉄も
そこに ずっと あり続ける ことなど
決して ない
私たちの 欲望は
地を 覆い 水に 溶け
空に 浮く
欲望の 惑星は彷徨する
楽しいことも 哀しいことも
消える ことなく
人から 人へ 伝えられ
やがて 欲望と いう 層が 積まれる
怒り 喜び
消える ことなく
それらを まとい
ひとつも のがさぬように 自転して
声の エネルギーは 空気を 振るわせ
欲望の エネルギーは 地を 振るわせ
海の 惑星は 公転する