マイブーム | 献食菜集

マイブーム



発掘作業の特典の一つに発掘に関係する講義を
無料で受講できる、というものがある。
今回は「中世 鎌倉を掘る」青山学院大文学部史学科/手塚直樹教授の
講議でした。

講議では鶴岡八幡宮から由比が浜海岸、材木座海岸に真直ぐにのびる
若宮大路の側や御成小学校敷地などの発掘で得られた遺構、遺物それら
から読み取れる情報の解説でした。

源 頼朝によって鎌倉幕府が開かれた時、武士たちの間には
西国の公家達の朝廷側の傘下に入るか、東国の武家達だけで独立した
国家をつくるか、ふたつの意見がありました。

平安、平城跡では見られず、
鎌倉の位の高い武家跡からだけ発見された
宋の磁器の発見は、
武家達の間だけで通用するステータスシンボル
の存在を示唆している、との教授の推測は
武家の西国への対抗意識が見えて大変おもしろいな
と感じました。
また八幡宮からの小規模な条理性は
私には「公家達への服従」か「独立国家」か
との間で揺れ動いた頼朝の気持ちが見える
ような気もしました。



翌日は別件で北鎌倉に用があったついでで
講議の面白さも手伝って鎌倉へも足をのばしてきました。
待ち合わせまでの1時間30分ほど講議で配付された
地図を片手にうろうろしてきました。

北条政子の安産祈願のために
八幡宮からの「参道をまっすぐ」にした、
というだじゃれのような仕事が
頼朝がまっさきに手掛けた事業であった、
との説明など思い出しながら
上京以来初めての鎌倉散策を楽しんで来ました。



遺跡の発掘や網野善彦、村井章介、東京裁判をさばくのしごと
鎌倉、とつづいて
京都、奈良の歴史探訪の本の表紙絵も描く事になりました。
安土育ちの私に初の歴史マイブーム到来といったところです。