古い本ですが、興味深かったところをメモっておきます。

仏教における顕教と密教

 焼失した法隆寺金堂の障壁画の、装飾的群像にみられる一種の装飾的完成をどうみるか。この四方四仏に囲まれた金堂内部に入った私たちは、この空間とどのような関わりをもつのか。古美術研究の考古学者としてではなく、信仰に近い情感をもって、創建当時、ここに足を踏み入れた人間を想像した場合。

 これらの諸仏は、たんに、仏個人を示しているのではない。金堂内部が浄土空間そのものなのである。

 これを装飾壁画と呼ぶことはできない。ゴチック伽藍、東照宮、二条城など華麗でときに過剰でさえあるあれらの装飾的空間の中心は、あくまで人間にある。装飾というものは部分で会って、それ自体で人間抜きの全体的空間を成立させ得るものではない。

 一方、エジプト古墳の死者の部屋や、法隆寺金堂の浄土空間は、人間が存在していなくて、十分に充足した空間なのだ。むしろ、人間を拒む空間なのである。

 これが、顕教的浄土空間なのである。

   ( 続きは改めて…)  

ビッグコミックオリジナル9月増刊号にマンガが載りました。

自分のマンガって、どうも面白くないような気がしてしまう。

面白くないとしてもしょうがないな。自分の力のしからしむるところだもんな。――と、年取ると、そういう諦念ができて、少し楽。

 

今あげた「イラスト」の中に、まちがいがあります。

 

絵のタイトル、「Cath Dimension」

 

もう一個どこかに字の間違いがあったけど…

ま、いっか、誰にも分る間違いです。

 

 

 

イラストを描かねば。

 

これまで、出版物向けにしが描いていなかったけど、

今回、個展というものをやらしていただいて、それなりには

フツーに売れると知った。びっくりした。

世の中の人はカネがあるなぁ!というか、

私だったらこんな絵にそんなカネを使えないよなぁ。

ま、自分の絵だから、描けばタダなわけだし、ん?ん?

どっかで論理が捻じれたかな?とか思っても、

最近どうでもいいや、という気持ちが強い。

 

「いいもん、もうすぐ死ぬから」

これが最強の居直りだな。

72ともなるとその言説に迫真性があるので、

皆、これを取り出すと、伝家の宝刀、うっ!という感じに身を引く。

 

歳とって、楽しいことのひとつだな、こりゃあ。

 

売れた絵の一部。

 

 

Csth dimension

これ、もっと、色、きれいでクリアです。自分でスマホで写真撮ったのです。

家の最安のスキャナーでスキャンしたらもっと地獄色になったので。

なにそろデジタルものは全て、手に余る。

 

ずっと書いていなかった間にあったことをまとめてあげておきます。

青林工藝舎から単行本「夕暮れへ」が3月末に出版されました。その後、ビリケンギャラリーで初めての個展を開いていただきました。ギャラリーで、著書にサイン中。