すっかり日は暮れ、空腹に気付く。
夕食のしたくも出来ないくらい家はグチャグチャだったので買い物に行ったが、ものの見事に食べ物は何もない。
あるのは酒と腹の足しにもならない駄菓子ばかり。

ちょっとのんびりし過ぎたらしい。

仕方がないのでお昼の残りでお腹を満たせて
なんと無く片づけた部屋でテレビを見ていた。

ニュースはヒステリックに地震の被害を喋り続けた。

「浪江は震度6強」

まさか自分の住む町がこんな大きな震災に見舞われるとは、、、。

悪い夢だと思いたかった。



一晩中酷い余震で
次男坊が怖がって家にいられなくなり
その夜は、隣の公園で車中泊する事にした。

その日の夜、
次男を抱きかかえて車の中でうつらうつらとしながら考えた。

ったく、地震のお陰で余計な仕事が増えちゃったよ、、、
お店のオープンもちょっと伸びちゃうなぁ。
片づけたら次男坊の誕生日パーティー盛大にやってあげよう。
余震はいつまで続くのかなぁ、、、
そう言えば、うちの猫
地震の後逃げ出したっきり帰って来てないな。
朝になったら探さなきゃ、、、。


緊張からかなかなか寝付けず、夜明け近くなった頃ようやく眠りについた。


ボンヤリとした頭の中で

「これは夢だ。きっと目が覚めたらいつも通りの朝がくる」

と、繰り返しながら。


to be continued...