医師の仕事はいずれ、
人工知能に取って変わるようになる、と
主張する人は少なくありません。
確かに、
診断に関するビックデータを蓄積したAIに対して
人間の診断能力は到底及びません。
しかし、本当に必要なのは、
診断する際の「観察眼」であり、
患者さんの訴えるトーンや仕草や表情から、
ヒントを得て、疾患を洞察するのです。
それができるのは、AIではありません。
人間の医師にしか出来ないことなのです。
では、その感性は、
どのようにして磨けば良いのでしょうか?
医師になるためには東大医学部を筆頭に、
おそらく偏差値70を超えるのではないかという
高学歴の人物が医師になるのでしょう。
「偏差値が高いが美意識は低い」
という人たちが医師になった場合には、
人間性の薄い、
それこそロボットのような医師になってしまいます。
ある論文ではノーベル賞受賞者は、
一般人と比較した場合2.8倍も芸術的趣味を
保有している確率が高いと書かれております。
また、高度な意思決定の能力は、
遥かに直感的、感性的なものであり、
絵画や音楽を「美しいと感じる」と同じように
私達は意思決定をしていると言われています。
さて西洋のエリートたちは、
オペラを、音楽・演劇・衣装などの
美意識が集約したものとして嗜みます。
日本では、歌舞伎がオペラ以上であり 、
以前、 生け花草月流師範であった母に連れられ見た娘道成寺の舞踊りは、
美意識の集約されたものとして、
今も脳裏に焼き付いており、
ついつい歌舞伎座に足が向いてしまのです。