「医師たるもの1万円札を額に貼るな、貼るなら後頭部に貼れ」
私の祖父の家訓です。
(昨年の6月28日と9月29日のブログにも記載)
開業医としての医師の家訓は、
大学病院勤務医としても当てはまります。
つまり、医師は利益を追うのではなく、
しっかりと患者さんを診察して、
その後、報酬を頂きなさい、という家訓なのです。
さて、東京医科大学の学長は、
いつの時でも、教授会で決定していました。
そのために主任教授が、学長に就任することになります。
一方で、理事長は、
理事の互選により決まります。
かつては、主任教授でない同窓会幹部や、
経営に長けた医師がなり、経営手腕を発揮していました。
結果、学長と理事長のバランスが取れていたのです。
しかし、このところ2代は、
主任教授が学長に就任した後に、
理事長が就任するということが続き、
バランスが崩れてしまっていたのかも知れません。
通常、主任教授というのは、
1万円札を額に貼るタイプではありません。
教育や研究、臨床に長けていて、経営は苦手の方が多いものです。
今回の裏口入学事件は、
理事長と学長の相互チェック機構が働かず、
両者が逮捕されるという、
最悪の事態になってしまいました。
またその原因が、学事であったことは、
医師養成が最大ミッションである東医大の体制に、
問題があったのかも知れません。
外野からではありますが、
理事長は、
白衣を脱ぎ、医学の学会から遠ざかっていて、
官僚と戦うことが出来る、
ゴリラのような(ブログ2017年11月12日)、
松下幸之助のような、
そんな人が望ましいのではないでしょうか。