はみ出し銀行マンの倒産日記/横田 濱夫 | Bon livre –いつか最良の一冊と出会う–


はみ出し銀行マンの倒産日記


※ネタバレふくみます。

20年前の『半沢直樹』といったところでしょうか。
(発刊が1997年とのことなので)

実写化するとしたら横田くん役は堺雅人さんじゃなくて、
香取真吾さんとか小栗旬さんが抜擢されそう。
『倍返し』どころか『3倍背負い』で、ちっともスカッとしないから、
ドラマにしようがないと思うけど…。

ていうか放送したら銀行はイメージダウンだし、債務者は怯えるし、
預金者は銀行に不信感もつし、誰も得しないもんね。

これがリアルな銀行内部ってことなのかな。

ドラマにするなら、お金ぜんぶ取り返して、
河野をひきずり降ろして、自分で始末をつけさせ、
小田島に赤っ恥かかせて、支店長の出世の道を閉ざすまでやらないとね。
手段は知らないけど。手形とか詳しく解説されてたけどよくわからなかった。

池井戸潤さんの小説もそうだけど、銀行が舞台、銀行員が主役のお話って
敵は城内にあり、な場合が多いねぇ。

横田くんがさんざん愚痴ってた「銀行の旧い体制」は
いまも改善されてないのだろうか。(半沢観る限りはなさそうだが…)
給料が高いから行員も歯を食いしばって黙ってるのだろうか。

私が2回くらい飲みに行った(デートとは言いたくない)銀行マンは
最初から最後までお金の話と俺の仕事がいかに大変かばかり喋ってたな。
年収が自分の3倍はあろうが、付き合いたくないと思って
3回目はやんわり断ってフェードアウトした。

銀行マンにあまりいいイメージを持ってなかったのが、
この小説を読んでますますドス黒く見えるようになってしまったよ。

シャッチョサンたちもことごとく地獄に突き落とされてるし、
会社を経営するって大変だね…
私だったら、どこで間違っちゃったんだろうって一生悩むわ。

寝転がって読んでただけなのに、
何時間も働いたみたいな疲労感が残ったわ。でも読みやすいです。