風のマジム/原田 マハ | Bon livre –いつか最良の一冊と出会う–


風のマジム


※ネタバレふくみます。

大好きなおばぁの一言をきっかけに、「社内ベンチャーコンクール」に応募した伊波まじむ。
「沖縄のさとうきびでラム酒を作りたい」という夢のために走り出す。

「まじむ」という変わった名前、「真心」の意味らしい。
作中に何度も出てくる言葉、「まじむこみてぃ」は、沖縄弁で「真心こめて」。
いい名前だなぁ。沖縄弁が堪能できる一冊でもあった。

さとうきび栽培がさかんな南大東島へ渡り、
ラム酒の美味しさを伝えるところから始めるまじむ。

またもや、お酒を飲めないはがゆさが…!
小説で美味しそうなお酒が出てきても、試してみることが出来ないのが悔しいわ。

飲んだ瞬間に風が吹く、どんな感覚なんだろう。
私がお酒飲んだ瞬間なんて、だいたい「あ、やばい」しか思わないからね。
その次は「眠い」か「気持ち悪い」へ枝分かれ。「美味しい」がない。

お酒のよさをわかってあげることも出来ないし、もし完成しても買ってあげることもできない、
それでもどうかこのプロジェクトがうまくいきますようにと、心から応援したよ。

まじむには、そうやって人を動かすひたむきさと熱意がある。

私なら、美味しいごはんのお店やってみたいなぁ~なんて考えても、
免許が必要だの、申請がなんだのって時点でやめる。むしろ手続きの方法を調べる前にやめる。
やっぱり企業する人って行動力が違うよね(寝転がってきゅうりをかじりながら)。

アイスのラムレーズンなら好きなんだけど。アイスはだめ?
沖縄って暑いし、アイスもうけると思うんだよね。アイス作らない?夏だし。

お酒好きの人なら、きっと私の何倍も楽しめると思います!

ちなみにこのお話にはモデルがいて、
実際にこの南大東島のさとうきびで作ったラム酒を販売されているそうです。