フジコ・ヘミングさんに訃報に当たり、またひとしきり彼女の演奏をユーチューブ聞いていました。

マルタも怪物だけどふじこさんもまた凡人には超えられない何かがあるように思います。


67歳でブレイクしたあと92歳で亡くなる直前まで休み無しでコンサートを行いアルバム制作を行っていたというバイタリティーにも驚きます。


ウィーンにも定期的に来ていらしたのは知っていたのですが、偶然知人からチケットをいただき、一度楽友協会大ホールでベートーヴェンのPコンをブラチスラバの管弦楽団と演奏されたのをライブで聞く機会を得ました。


こちとらピアノ弾きなんでどうしても細かいことが気になって、ふじこブランドであるところの聴衆を魅了する音色を堪能するまでに至らなかったけれども、ふじこさんの世界観というのは伝わってきました。


ふじこさんのすごいところは、シューベルトもシューマンもショパンもベートーヴェンも、楽譜を読み込んで完コピではなく自分のオリジナルとして昇華させているというところです。


これができる人はあまりいません。似てるところで言えばホロヴィッツでしょうか。


クラシック屋の先入観を取っ払って聞けば、なぜこの演奏家がここまで聴衆に愛されたかというのがよく分かると思います。