つい先日、週刊競馬ブックの編集後記にも書きましたが、今年の新潟2歳Sに優勝したのは、連闘で挑んだ小島茂之厩舎の牝馬キタウイングでした。ちなみに、JRAホームページで馬名の由来を調べても、単に〝北+翼〟と記されているだけ。母がキタノリツメイ(北の立命)という馬なので、あるいは、その母名が由来なのかも知れませんが、キタウイングと聞けば、やはり中森明菜さんの『北ウイング』を連想せずにはいられません。そう思うと、奇しくもご本人の復帰が伝えられるなかで、いかにもタイムリーな新星の誕生だったと言えそうです。

 

 そこで、久しぶりにGⅠ優勝馬の名前の話題を。もちろん、テーマは〝楽曲のタイトル〟です。しかし、今回は判別作業が予想以上に難航しました。そもそも楽曲のタイトルは、それ自体が二次的な性格の強いもの。したがって、〝この馬名は〇〇が由来だろうが、楽曲のタイトルにもある〟といったケースが多数出てきます(キセキ、キズナ、ヴィクトリー等)。

 結局、〝ほぼ間違いなく楽曲名から採ったものだろう〟という馬のみを独断で抜き出したのが下の表です。他にも、「あれもある」「これもそうだろう」そんな声が上がりそうですが、私の狭い認識による抜粋なので悪しからず……。 

  さて、このカテゴリーで最も強く印象に残る馬と言えば、やはりエルコンドルパサーに他なりません。デビューから土つかずの5連勝でGⅠ・NHKマイルC優勝、3歳にしてジャパンCを制覇(日本調教馬では史上初)、そして何よりも、世界の最高峰・凱旋門賞での大健闘……。

当時は歓声と喝采のなかで見せてきた走りも、時を経て振り返ると、何となく、『コンドルは飛んでゆく』の、あのケーナの調べが流れてくる感覚になるから不思議なものです。死力を尽くしての逃げだったあの凱旋門賞ですら……。

 

 なお、完全一致ではないものの、〝それらしい馬〟や〝私が勝手に曲名を連想する馬〟というのも結構いました。エルコンドルパサーの仔で06年の菊花賞を勝ったソングオブウインド(由来は村上春樹さんの小説らしいのですが)、同じく03年の菊花賞馬ザッツザプレンティ、そしてやはり、96年の菊花賞馬ダンスインザダーク(なぜか菊花賞馬ばかりですが)。更には、14年の日本ダービー馬ワンアンドオンリーなども、私はどうしてもジャズの名曲『マイワン・アンド・オンリーラヴ』を連想してしまいます。

 その馬のことを思い出すだけで、心の中にあるメロディーが流れてくる……、そんな馬が皆さんのなかにもいるのではないでしょうか。