インタビュアー:
日本人なら誰もが使う「お醤油」について。
小麦が入っているとかいないとか、
大豆が国産かそうでないか。など、
いろいろな種類がありますよね?

西川:
醤油の裏側の表示を見て、
その意味が分かる人はほとんど
いらっしゃらないと思います。

まず、そもそもですが、
醤油は「調味料」でしょう。

例えばお醤油でもみりんでも、
酒でも何でもいいのですが、
まずはなめてみてください。

自分が今使っているものです。
それがまずかったら変でしょう?

調味料の国語的な意味は
「味を調える。おいしくする」
という意味ですからね。

ところが、市販の調味料は
そこまで美味しくないものが多い。
醤油だけではありません。

まずい調味料でおいしい
料理ができるでしょうか。

まず根本的な質問は、
調味料は美味しくないとプラスにならず
むしろ引き算になりますよね。
これはおかしなことです。


*水より安い醤油の謎… 

それと、もっと質問をします。

水より安い醤油というのは
いったいどんな醤油でしょうか?

ミネラルウォーターというのは、
ただ水をくんできて詰めているだけですよね。
それよりも調味料が安いのです。

インタビュアー:
少し怖くなってきました…

西川:
そのカラクリを理解した方がいいと思います。

お酒でも、600円ぐらいで売っている
パック入りのお酒がありますけれども、
お米をきちんとお酒にして、そのような
値段に果たしてなるかどうかです。

そのカラクリを今から言います。

例えばお醤油ということに限って言うと、
まず今売っているものには香りがないのです。

醤油の価値は香りなのです。

分かりやすく言うと、
市販の醤油は色を茶色にして、塩を入れて、
塩水を色を付けて辛くしているだけです。

ですから、もう際限なく
安く醤油は作れます。

私たちが認める本物の醤油であれば、
例えば3年は寝かします。

その原料は有機、あるいは
無農薬の大豆かというのが大事です。

原料に農薬があるということは、
そのまま醤油に農薬が入ってくるわけです。

よって、農薬がたくさん使われている
原料で作ったものは、まずそこが問題です。

それから、普通の醤油は、
ひどい場合は大豆でもだし大豆という
油を取った後のかすというか、
油は油ですけれども、残るのはタンパク質でしょう。

ですから、だし大豆という、
豚の餌になるようなもので
醤油を作ることが可能なのです。

インタビュアー:
豚の餌になるような大豆で
醤油が作れるのですね。

西川:
作れるのです。ですから、
香りも何もなく、おいしくないのです。
ただ、そこにあるタンパク質です。

農薬も「ポストハーベスト」といって
アメリカからくる大豆というのは
桁違いに農薬が多いのです。

そういう農薬だらけのもので
作っているのは問題でしょう。

その作り方も、時間をかけて
作っているわけではありません。

しかし、温醸というか、速醸で、
温度を上げて例えば3ヶ月、
ひどい場合は10日や1ヶ月でも作れます。

3ヶ月ぐらいではきちんとした
発酵ができないのです。
作ってみると分かります。

何が起こるかというと、
だし大豆などを使って短期間に
作ったものはおいしくないので、
そこに調味料を入れるのです。

インタビュアー:
醤油が調味料なのにですか?

西川:
そうです。そこに色も付けますし、
水あめを入れたり、いろいろな薬品を入れて、
醤油もどきを作るのです。

新式醸造の醤油というのは
そういうものです…

※ ヘルスアカデミー最新号より抜粋。