2020.1/18

 

最近まで使用していたノートPCが、いよいよ調子悪くなってきた。

 

個人で購入したお気に入りの愛機だった。

これまで、購入時の価格以上に活躍してくれたと思う。

仕事にも、個人用としても長時間私と同じ時間を過ごしてきた。

なんとも寂しいものだ。

 

私が困っていると聞きつけたのだろう、会社から新しいノートPCを支給してもらった。

本当は自分の財布からショップで購入したかったのだが、コロナ禍の今だから、

年寄の私は、不要不急の外出として行動を周りから厳しく制限されている現状だ。

 

先日、新しいノートPCを購入するため秋葉原に行きたいと何気なく周りに言った。

その日は反応無かったが、翌日から激しい反対する意見を含んだメールが増えた。

 

私が好きな秋葉原散策など、言語道断だとの事。

彼等が言うには論外の外出先との事。

「老いては子に従え」の基本論拠で私を説得してくる。

仕方が無いのでジャストビジネス用の可愛げも無い無味乾燥な社用ノートPCを受け取った。

 

道具には拘りたいのだが、周りに反論する気力まで既に失せてしまった。

 

私が若い頃は世間はバブル期の時代で、「外資系汎用機」の技術者だった。

「IBM 3090 Sierra」が専門だった。

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その頃の営業マンには好景気に浮かれた楽しい時代だっただろうが、

私達技術者は世間とは掛け離れた昭和の環境で日夜、マシンルームでの激務に耐えた。

ダスド(わかりやすく言えばハードディスク)群の場所に段ボールで拵えた硬いベッドで

仮眠を取りながら、技術的無知な上層部からの性能要求に答えるべく懸命に働いた。

何が可能なのか、何が不可能なのかを説明しても彼等は理解できないのがもどかしかった。

彼等は私らに要求しても、開発環境などを理解してくれかった。

そのような状況で、成果を上げるのが日本の技術者の必須項目だ。

会社からの成果要求が馬鹿げて高く、それに提出ドキュメントの完成度も完璧性を求められた。

 

そのため、成果効率を考えると自分が使う道具にはその性能に厳しくなる。

自ずと仕事に使う道具には結果的に拘ってしまう事になる。

 

あの頃は毎日疲れ果ていた。

しかし、今では純粋に楽しかったと想う。

上層部だった人達にも恨みなど無い。

ある程度の年齢になると社会の誰もが思い起こす記憶だろう。

睡眠欲や食欲など、何とか工夫すれば自己消化できるのものだ。

 

いつぞや、我社の若い社員が、私に「ネットゲームが面白いから社長もやりませんか?」

と誘われた事がある。

無邪気な若い社員の話を良く聞くと、彼の熱い言葉に理解できる部分が多かった記憶がある。

 

ラスボスに立ち向かうため、事前の長く苦しい時間や仲間内での連携の難しい調整。

私はその若い社員の熱い言葉の意味を深く理解できた。

私も同じだよ、技術者なら有給を取ってでもラスボスに挑戦するべきだ。

その積み重ねが大切なんだと思う。

そして、無残に負けなさい(笑)

 

社用PCになって「キーピッチ」と「キーストローク」が微妙に違うせいか、

タイプミスが増えたように感じる。

 

人や道具などに慣れ親しむという個人的要素まで私は希薄になってきたのだろうか・・・

 

コロナが落ち着いたら早急に、心行くまで秋葉原のお店巡りを目論んでいる。

立ち食い蕎麦「嵯峨谷」にも久しぶりに行きたいものだし・・・

 

 

 

ここ数日、データ移動も自分でやりたいので頑張ってはいるのだが、

そんな秋葉原でのメイン機種探しの企みもあって、

OneDriveや各クラウドサービスに各種データ、文書、画像をぶっ込んだままになってしまい、

遅々として作業が捗らないのだ。

 

若い頃に比べ「集中力」も格段に衰えたようで、やる気も時間的に比例して削がれてしまう。

 

人の老いと云うものは、満遍なく機能低下していくのだ。

我が愛機だったノートPCと同じなのだなぁと、感慨深いものである。

 

「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」である。

Old soldiers never die, they just fade away.

最近、この言葉がよく頭を過ぎる。

 

最近の私は上記の要因から面倒を掛けないように、できるだけ毎日出勤しないように

しているつもりだ。

今、流行のリモート勤務だ(笑)

私ら年寄りは家で大人しくしておいた方が、周りに余計な面倒を掛けずに済むし・・・

 

しかし、家に篭もっているばかりでは、総じて運動不足になってしまう。

結果、食欲が著しく落ちてしまうのは自然の摂理だろう。

 

「年を取ったらさ、都会での暮らしの方が楽だよ」

って諸先輩から聞いていたが、現在のような状況なら却って都会の方が暮らしにくい。

都市では運動量と食事の比例度から言えば一概に納得できない。

 

会社から夕方の電話報告と、書類が添付されたメールが届くまで、

お茶や珈琲、紅茶ばかり飲んでいるので益々、食欲が減退してしまう。

 

だが、ボヤけばキリが無い。

 

今は、現状を正確に受け止めて冷静に再構築していくのが正しい対応なのだろう。

 

先ずは「確固とした目標」を決めなければ・・・