ノータイ・2ステント「両顎手術」術後1か月


このケースは「ゴボ口」のケースです。

ポイントは「オトガイ形成」です。

術前のシミュレーションの段階で上下顎骨を動かして、顎先がどこに動いてくるかを見てから、オトガイ形成のプランを決めます。幅を寄せるのか、長さを短くするのか、どれくらい前に動かすのか。顎先をどこに移動させたいかで、切り方も変わりますし、幅の寄せ方によっても切り方が変わります。最終的にはVラインをどう仕上げるかを考えますが、オトガイ形成をしないというプランはほとんどありません。

上下顎骨を動かしたいところに移動させて、オトガイ形成でVラインとEラインを整えます。上下顎骨の位置決めには若干の幅があり、数値的に許容範囲が存在します。動かし方によってはおとがい形成しなくても良い位置が存在しそうですが、幅に関するプランが加味されていません。この考え方はセファロと呼ばれるレントゲンだけでプランニングしている時に生じるピットフォールです。セファロ的に顎先の位置が適した位置にくると、オトガイ形成をしなくても良いと考えてしまいますが、幅のプランが考慮されていません。上下顎骨を移動させた後、前から見てVラインがどうなっているかを見ることができるのは3Dシミュレーションソフトのお陰です。下顎骨の位置や傾斜がどう変化してくるかを見て、オトガイ形成の骨切りプランを検討します。

ルフォー1骨切り、BSSO(SSRO)とオトガイ形成まで同時に行わないと口元から輪郭にかけて、適したポジションに移動ができないというコンセプトです。これは保険診療で行う顎変形症の手術では難しくなります。保険診療でもオトガイ形成までされている施設もありますが、多くのケースで特に口腔外科ではオトガイ形成まではされていないようです。これは日本の保険制度の問題でもありますが、最近月に数件は保険で行ったけど輪郭に満足していないというカウンセリングがあります。制度上の問題でもあるので中々難しいですが、この両顎手術は噛み合わせと輪郭が密接に関係しているため、同時に考えざるを得ないのと、オトガイをするかしないかで上下顎骨の移動プランも変わるだけに悩ましいです。


🏥顎矯正手術:定価2,750,000(税込)

術前検査代、麻酔代、術後CT代は別途

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🩹リスク:疼痛、出血、血腫、感染