平成14年11月6日、定期の診察予約でした。この日までに入院の連絡はありませんでした。母はどんどん衰弱しており、SクリニックのS医師には数週間かも?と言われていました。こればかりは私も信じたくはなく素直に聞き入れることはできませんでした。診察を待つにも座ることが出来ず、看護師もさすがに状態を理解してくれベッドのある部屋へ通してくれました。

 診察では現在の状況を説明しました。K医師は

「ベッドがね、まだ空かなくてね。病棟の看護長とも後藤さんのことは話しているんだけどね。」

「先生、母を診てもらったら分かると思うんですけど、もう限界です。入院させて下さい。」

「そうやな。」

と言い医師は病棟に連絡をしてくれました。

入院はあっけなくスムーズに行われました。以前手術のときに入院した病棟でした。前回 入院した時の受け持ち看護師もいて心強く感じました。K医師は病棟で受け持ち患者は持たないので別の医師でした。S医師はサバサバとした見るからに外科系の医師でした。

「なんかね、K医師が娘さんが治療を探してるから入院待ちだったって言ってるんですけどね。」

「はぁ?なんの事ですか?言っている意味が分かりませんけど。母の状態を診てもらったら分かりますよね。そんなん信じられません。いったいなんのつもりでK医師は言ったんでしょうね。」 

「まぁ、ええわ。ややこしい。取り合えず、中心静脈のルート入れますから同意書いて下さい。」

というやりとりの末(別に医師のこの言動に嫌味やものは感じず、むしろサバサバさに好感が持てました。)、母の点滴の処置はスムーズに終わりました。

どうしても一旦帰って自分で用意をしたいという母の我侭を聞いてもらい外出となりました。しかし、母にとっては我侭ではなく、入院での自分の先が見えないため自分で準備をしっかりして入院したかったのだと思いました。だから言いにくくても私が看護師達に言わなければいけませんでした。自分も同じ看護師なのになぜ立場が逆転したら言いにくくなるのでしょうか?不思議なものです。やはり、まだ日本の医療は医療者のほうが患者より立場が上という感覚があるのでしょうか?



※指輪は姉の指輪。両親の遺骨が入っている。私や母と同じタイプでロケットタイプで開くようになっている。

母の指輪と同じ形だがよりふたまわりほど小さく、まわりにパベェダイヤが付いている。。値段は25万ぐらいだったと思う。