学校から帰るのが怖かった。

家の前に兄の自転車がある。

それだけでこの世の終わりを感じるほどの絶望感と恐怖感。

家に入らないわけにはいかない。

でも、入ったら最後ってことも分かってる。

逃げたいのに逃げられなくて

震える手で玄関のドアを開けた。

キッチンに兄がいる。

小さな声で「ただいま」というと

「あ?聞こえねえよ」

と言い直しをさせられる。

「お前帰ったんならラーメン作れ」

私は小学校2年生で帰宅をしたら兄のためにインスタントのラーメンを作るのが日課だった。

ジャンプを読みながら私の行動を監視し、一つでも失敗すれば執拗に殴られた。

ここは家じゃない。

地獄だった。