幼少期 | sou uma japonesa

幼少期

三歳になる年に私は保育園へ入園した。

いとこの女の子がこの保育園に入園していて、母と一緒にこの保育園を見に来た時に「この保育園に入りたい」とかすかに言った記憶がある。


小さな頃から泣き虫で、いつも先生の膝に座ってるような子だった。


その中でも特に私を可愛がってくれたH先生。

H先生から貰った年賀状は20歳くらいまで大事に持ってた。

引っ越しをした時に失くしちゃったんだけどね。


そして、先生が卒園式の時に沢山涙を流して「皆と会えなくなるのが寂しい」と泣いていたのを今でも思い出す。


私は、自分の子供も同じ保育園に通わせ、H先生に子供の担任になってもらうのが夢だった。

そして、私は大人になり、一女をもうけ、夢を叶えた。

去年の娘の担任はH先生だった。


おととし、私が保育園の駐車場で車を他の園児の親の車にぶつけてしまい、電話で旦那に責められ怒られて泣いていたら、先生は私の手を握り何も言わずに私の話を頷いて聞いてくれた。


「私、いくつになっても子供だな、いい大人なのにこんなに泣いちゃって」

「そんな事ないよ」


私にとって先生の握ってくれたその手は温かくて、柔らかくて、とても懐かしい時間が子供の頃に戻ったみたいだった。


H先生は今年、保育園を退職した。


あれから24年、先生は今でも独身で独りで頑張ってきた。

私は娘の行事や保育園の催しで保育園へ行く時は必ず先生の隣にいた。


もう一度あの頃に戻れるなら、今の私であの頃に戻りたい。

浅はかで単純で何も知らないって本当に幸せなことだ。

色々な知識をつけ、色々な事を知ってしまった私はあの頃みたいにとても無邪気には笑えない。


泣き虫で、いじめられっ子で、わがままだった私をいつも優しく可愛がってくれた先生。

本当に感謝してる。


子供っていいね。

人を色々な目で見ようとしない。

素直な気持ちで人と接することが出来る。


私は中学に入学した時に保育園で仲良く遊んでた子達に「気安く話しかけないで欲しい」と言われた。

再会した時は手を握り合って喜んでくれたのに、私が小学校でいじめに遭ったり、嫌われてる事を知るとたちまち皆離れていった。

蟻の子を散らしたみたいに。

悔しかったし、物凄く悲しくなった。


でも、私は学んだんだよ。

人は変われるって事を。


その気持ちだけで今まで生きてきた。


どうか、娘が私のようになりませんように。


先生、私は子供の頃に比べるとかなり弱虫だと思います。

孤独感でいっぱいでした。

あんなに可愛がってくれたのにゴメンね。

こんな人間になっちゃってゴメンね。