料理をする。料る。

 洗う。剥く。切る。卸す。茹でる。焼く。煮る。蒸す。合わせる。引く。取る。盛る。掛ける。

 食べる。食す。

 見る。嗅ぐ。聴く。又見る。刺す。切る。含む。噛む。飲む。呑む。→それらを胃袋に落とし込んだ上、思い起こして再び味わう、その繰り返し→最後に「プギョ、プギョ」と言い、片手で腹を叩く。

 さて、今回は「出汁」の話、というか、そのごく一部。

 和食において、出汁は基本の「基」。出汁は「引く」ものであり、「取る」ものでもある。

 フレンチではブイヨン。中華では湯(タン)。イタリアンではブロード。英語ではブロス、或いはストック。

 では君、出汁の材料と言えば何?   鰹節? 昆布? 1分待ってあげるから、その間に30個くらい並べてご覧なさいな。

 どうだい、言えたかな?

 その中にこんな答えは入っていたかい?

「野菜くず」

 え? 入ってなかった?

 「ボーっと生きてんじゃね〜よ!!」とは言わないので、折角だから、覚えておくといいね。

 君が剥いた、大根の皮、玉葱の皮、里芋の皮、長ねぎの根元、椎茸の石突き、白菜の外っ葉、小松菜の葉の傷んだところと、その根元。

 今、君が生ゴミ集めの網カゴに入れた、それらが全部、とても優秀な出汁の材料なんだ。 捨てるなんて「もったいないオバケ!」、ってちょっと古いかしら。

 何故、野菜くずが出汁の原料として優秀なのか、植物生理学並びに栄養学的に説明すると、ものすごく長くなるから、それらの一切を割愛するけれど、魚の皮や骨が美味いのと同じ理由で、野菜くずも美味しいんだ。 どの料理人でも知っていることだよ。

 ただ舌触りや喉越しに統一感が欠けるなどの理由で、レシピ上取り除かれてしまうそれら。

 だとしたら、なるべく野菜くずを出さないレシピヘの修整は、勿論一つの正しい道なのだけれど、これまでの習慣を人はそうそう簡単には手放さないのも事実。 ならば、野菜くずの再利用を考えるのが最も手早い選択肢だよね。

 そこで次のブログ↓
 


 
 野菜くずで引いた出汁を「ベジブロス」と名付け、それを日々の料理に役立てる小さなアイディア。

 上等の野菜の野菜くずから取れる出汁は、一級品の鰹節よりもすんばらしいことを、ボンディは保証するよ。 是非一度お試しあれ。

 
 野菜の皮ついでに、もう一言。

 これからが旬の山芋も、殆どの人が包丁や皮剥き器で削いでいると思うけれど、実は「皮」が一番美味しい部分。

 とろろにするなら、たわしでよく水洗いして土を落とし、ひげ根を直火で焼き切ってから、卸し金で卸すこと、面倒でなければ擂り鉢で擂る、それが嫌なら、せめて目の細かい卸し金を使うこと。

 皮を剥いたものより舌触りが若干悪くなるけれど、土がもつ香りが濃厚に迸り、そこにコクのある調味料を合わせるのが勿体ないくらいの味わいになるよ。

 山芋を皮付きで味わう。 これも是非ご体験を。

 1月21日のボンディファームでの山芋掘りイベントでは、山芋の皮が何故美味い食材であるのか、又、美味い食材となるのか、君の汗と共に、君の五感で体得してもらうことになるだろう。

 まだ参加希望者からの連絡が少ないので、是非、君もエントリーを!

 イベントの詳細並びに参加募集投稿がこちら↓
 
 最後にオマケ。 「食品ロス」についての奈良県大淀町のコラムが秀逸。(小さな自治体の広報がこんなコラムを寄せてくれるなんて素敵ですねぇ♡ 他の自治体も是非是非見習いましょう!)↓