前回の投稿で、冬野菜が自分の体に糖を蓄えることで寒さから身を守る、という話をいたしました。 どうやら皆さんに関心のあるテーマだったようで、実に何より。

 そこで今回は、野菜が作り出す糖について、前回の植物生理学的視点から一歩進んで、バケ学的にお話ししてみようと思います。

 野菜の甘みは品目によって千差万別。 人参の甘さととうもろこしの甘さとトマトの甘さは違います。 それは何故か。

 それは野菜それぞれに作り出す糖が異なっているからです。

 野菜が体内で作る糖は、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、デンプンなど、実に様々。

 そして、それらの糖を含んだ時に感じる味覚刺激が糖それぞれに異なっているため、野菜の品目ごとの糖類の量と、その構成比と、甘み以外の味覚刺激要素などの複合的条件によって、それぞれの野菜の甘みの味覚イメージが形成されるのです。

 これら、具体化してみましょう。

 糖は、甘みが穏やかで消化吸収の早い、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)のような単糖類と、単糖類が分子結合してできた多糖類とに分けられます。

 化学合成された多糖類は山ほどありますが、動植物の体内で作られるのは、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、トレハロース(マッシュルーム糖)などの二糖類が多いのです。

 これらは単糖類に対し、酵素で分解して単糖類にしないと吸収出来ず、又、単糖類よりも甘みを強く感じるものが多いのが特徴です。

 皆さんが暮らしの中でよく耳にするオリゴ糖とは、単糖が数個結合した糖類の総称で、その中には前述のスクロースなどの二糖類も含まれます。

 中でも、フラクトオリゴ糖は、腸内の善玉菌、ビフィズス菌のエサとなるため、プレバイオティクスの一つとされ、特に日本人に好まれていますよね。(食品メーカーの営業努力の結果、なんですけど)

 野菜のうちでは、ゴボウ、玉ねぎ、トマト、スイカなどに含まれる糖で、中でも、ヤーコンには非常な割合でこのフラクトオリゴ糖が含まれていることが知られています。

 ヤーコン、その体内に含有する難消化性デキストリンとポリフェノールの効果と相まって、すんばらしい機能性を有します。

 美肌希望の貴女にぴったりの野菜なのです。 知ってました?

 ボンディのところでは、11月末に掘り取りの後、現在、防空壕跡の洞穴で追熟貯蔵中です。 およそひと月の追熟でデンプンの糖化が進み、梨並みに甘くなってから、来年1月から出荷の予定です。

 ということで貴女、お腹とお肌の悩みをズバッと解決する、スーパーナチュラルメディスン、「アンデスの奇跡」ヤーコンを、年が明けたらモリモリ食べ野菜な♡

 野菜の甘みは、品目ごとばかりでなく、品種によっても、作型によっても、土質によっても、もっと言えば生産者によっても、大きく異なって参ります。 秋の大根と冬の大根とでは、その糖の量ばかりでなく、糖類の構成比も変わるのです。

 野菜の「甘み」一つとっただけでも、論文が100本くらい書けるほど難解です。そして、実に面白い領域なのですよ。

 What a wonderful agricultural world! ってことで。

 (皆さん、今回も良いお勉強になりましたか?)