僕、ヤーコン。ボンディさんは、里芋、じゃがいもに次ぐ、「第三のおいもさん」って呼んでるみたい。葉っぱが霜で枯れてしばらく経ったんで、ボンディさんに昨日掘りとってもらったんだ。
僕らがいっぱい採れたのをよろこぶ、ボンディさんの心の声がコチラ↓
「うほっ、いっぱい採れたぞー! もう一つの畑と合わせて、1トン採りかー? ひと月「サンサョウウオの間」で寝かせて追熟かけて、年末からバンバン出荷するぞー! ボンディの単価で㌔500円だから、1トンだと、、五千、五万、五十万! ヤーコン1品目だけで50万なら、150品目作っているボンディは、えーと、幾ら稼げんだ?、、、
うひょー! すげー! 家建つぞー! うちの奥さんには、いっつもボンディのわがままと来客の多さで迷惑かけてるからなー。さ来年の11月22日には、ピカピカのマイホームをプレゼントってかー? スモリの家にしようかなー? セキスイハウスがいいかなー? ぽわわわわーん♡」
あーあ、ボンディさん、そういうの、昔の人は「取らぬ狸の皮算用」って言ったんだけどな。百姓あるある、だけどね。
ボンディさんの言う「サンサョウウオの間」。昔の防空壕跡の洞穴をボンディさんが野菜の貯蔵庫に使ってるんだよ。天然のワインセラーみたいなとこ。コウモリさんとニホンサンサョウウオさんが棲んでるんだ。
僕らはボンディさんが言うように、掘りとってすぐには美味しくないんだよ。ゴボウと同じキク科だから、アクがあるんだ。冷暗所でひと月ほど置いて追熟をかけると、デンプンの糖化が進み、アクが抜けて、食べ頃になるんだね。切ってみると分かるよ。掘ってすぐの時は白いだけの切り口が、茶色く半透明な感じになったら、いい頃合いだね。
ボンディさんの追熟ヤーコンは、果物みたいに甘いから、スティック状にしたサラダですごく美味しいし、すりおろしてスイーツに仕立てるのにだって向いているんだ。
ボンディさんが野菜を卸している、馴染みの飲食店のコースのどこかでか、お取り寄せして、自分ちの食卓でか、僕らの美味しさにランコントレしてみてね。
それじゃあ、ジュベブブワ!