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一度観てみたいと思っていた歌舞伎。

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宮藤官九郎さんの脚本ということに惹かれ、行ってきました。

想像を遥かに超えた面白さでした~♪
初めて劇団四季のミュージカルを観たときのような興奮を覚えました。

すぐにもう一度観たくなり…気がつけば4回。(コクーン3回、まつもと1回)


■主な出演者
法策のちに天日坊…中村 勘九郎
人丸お六…中村 七之助
猫間光義…市村 萬次郎
お三婆/赤星大八…片岡 亀蔵
北條時貞…板東 巳之助
傾城高窓太夫…板東 新悟
越前の平蔵…近藤 公園
観音院/鳴澤隼人…真那胡 敬二
久助…白井 晃
地雷太郎…中村 獅童

■演出・美術
串田 和美

■脚本
宮藤 官九郎

約150年ぶりに上演された黙阿弥のこの作品。
原作は長いらしく、それを宮藤さんが法策の部分を中心に話を組み立てられたそうですが、非常に面白い。

そして初見で驚いたのが「笑いのネタ」の面白さ。
それを演じる役者さんの絶妙さにお芝居でこんなに笑ったの初めてかもというくらい爆笑しました。

■中村勘九郎さん
17歳の心優しい法策を演じているときの可愛さったら。

そして周りのボケにつっこむ法策の図式がツボでした。
「あぁ!酒が飲みたい!女も抱きたい!小股の切れ上がった蟹の甲羅で酒が飲みたーい(みたいな?台詞)!」とワガママ放題の観音院様に対しボソッと「欲望が渋滞をおこしておられます」とか(笑)
「婆さぁん、体が台詞に追い付いてねえよ」とか(笑)

キリッと印象的な表情に切り替わるとその瞬間引きつけられます。
優しい青年が人を殺し、上手く行きかけ調子に乗ったものの、思いも寄らぬ方向へ人生が転がっていく。

お三婆殺害後、平蔵から観音院様の死の知らせを聞いたときの表情。
桟敷席の中でお芝居をされるのですが、今回それをとても近くで見ることができて。

それから天日坊として詮議場に現れたとき腹を据えたような研ぎ澄まされた顔をしているんですが、大江廣元の顔を見た瞬間法策の不安気な顔に戻るんです。

そしてラストの殺陣シーン。
くわっと敵に噛み付くような雄叫びの表情を見せたかと思うと、ハッとして何とも情けないような切ない表情で呆然と立ち尽くす。
数え切れない程の敵に囲まれ、俺は誰だあ!と叫ぶ。
法策の人生の転がり方、そして今死を目の前にして、自分が何者でなぜ戦いなぜ死のうとしているのか?
そのリアリティにグッと引き込まれました。

■中村七之助さん
お七の登場の仕方が大好きです。
お助けくださいませ!お助けくださいませ~!おみ足チラ。

今まで女形ってヒノデロしか見たことなかったけど、七之助さんのお六に魅了されました。

「酔っちゃった~」の色気最高です(笑)

赤星大八の家でのやりとりで、
地雷太郎「昔の馴染みで~…」
太郎&お六「よろしくー!!!!!」
が毎回爆笑で大好き。

骸骨の黒い着物がすごく素敵でした。

■中村獅童さん
破天荒な盗賊地雷太郎。
アウトローでかっこ良い部分とアホな部分のギャップが面白かった。

赤星大八との俺合戦はお腹がよじれる程笑いました。

いつも俺合戦をやる赤星大八に「毎回それやってんのかい?」ってソフトに突っ込むキャラ変わりも最高でした。

■片岡亀蔵さん
お三婆さんと赤星大八の二役が同じ人だとは始め気づきませんでした。

お三婆さんは最高ですね。
法策の持ってきた酒を飲んだあとのおっさんみたいな声の漏らし方(笑)
雪降る中持ってきたのだから相当冷たかろう(笑)

赤星大八はやっぱり俺合戦が印象的です。
「途中から俺も俺じゃねぇなとは思ったんだけど」とか笑える。

■板東巳之助さん&新悟さん
時貞と高窓太夫のシーンが大好きで、割とポップなテンポで来てラストに泣かせる素敵なお二人。

遅刻キャラ時貞。
冒頭登場での「なんかすいません。バタバタしてすいません。」のキャラがもう(笑)
狩野英孝っぽい決めポーズしたり、自分のことを「時貞~」って呼んでたり、とにかくチャラいんだけど天心爛漫で憎めなくて可愛い。

時貞の台詞の「ややこかぁ!」がなぜか耳から離れません。

時貞にお似合いな高窓太夫。
顔のそばで横ピースするのが女子高生みたいで可愛いすぎる!

時貞がなぜここにいないのと隼人様に聞いたときの「遅刻…?」の表情が最高(笑)

ラストが可哀想すぎて…幸せになって欲しかったなぁと一番思うのが高窓太夫です。

■真那胡敬二さん
観音院様と鳴澤隼人、こちらも同一人物が演じているとは思えない変幻っぷりですね。

観音院様の俗物キャラが素晴らしい。
逃げ込んできたお六の場面大好き。
「布団を敷けーい!」とか「乞食に耐えてよく頑張った!感動した!」とか。
「おなぶりされるがお好みならおなぶりするし、おなぶりするがお好みならば~…おなぶりもうせい!」台詞は曖昧ですが、ここが超ツボで。

ツボと言えばお六に壼を投げられてダイレクトキャッチの「ダメー。これはダメぇぇぇー。絶対ダメぇぇぇー。」も好きだ~(笑)

■市村萬次郎さん
眼鏡が…あれはウケを狙ってるんですよね?
なんで眼鏡と思ってジワジワくる。
猫間光義の喋り方が好きです。
連判状を持ってきた地雷太郎の説得に折れるときのしょんぼりとした感じとか上手いなぁと。

■白井晃さん&近藤公園さん
白井さんって芝さんにちょっと似てます(笑)

下男の久助という役に白井さんとは贅沢だなと思っていたら、実はすごい重要な役だったんですね。
「法策どん、法策ど~ん」って呼ぶ久助の声が耳に残ります。
詮議の場面で身分を明かすシーンで着替えにもたつく印象があるのは少し気になったところ。

天日坊と大江廣元、地雷太郎の3人が台詞を被せながら問答を行うシーンは迫力ありました。
初めは何を言っているのかなかなか聞き取れなかったけど、繰り返し見るうちに聞き取れるように。

近藤さん。
ニコニコ笑顔が素敵な癒しキャラでした。

まつもと公演では法策と平蔵が通る平場席に当たる奇跡にびっくりしました。
コクーンシアターは下手通路から平場席に法策が歩いて来たのですが、まつもとの劇場はとにかく座席間がコクーン以上に狭いんです。
これはここを通る演出はないのではないかと思っていました。
ところがです。
法策が下手通路に向かう様子がないのでやっぱりそうか~なんて思っていたら、そのままセンターブロックを真っ直ぐ歩き出して(笑)
ほんと足の踏み場もないようなところをズカズカと。
ちょうど私の座る一列前で立ち止まり、私からはふたつ隣りの座席位置だったのであまりの近さに大感動。
ここの法策の表情が本当に素晴らしいなと思って感動したシーンだったのです。
しばらくすると平蔵が後方からやってきます。
下手通路からやはり平場へ(笑)
だんだん自分のほうに近づいて来たので荷物を抱え通路を作っていたら、平蔵がそこでストップ。
私の真上で繰り広げられる芝居にしばし呆然としました。
法策と平蔵に挟まれ、こんま間近で芝居を見ることができるなんて。
本当に松本まで来てよかった。


初歌舞伎が天日坊でよかったです。
こんなにハマってしまうとは思いもしませんでした。
次はどの歌舞伎を観ようかなと毎日そんなことばかり考えてしまうほど。

まだまだ自分の知らない素晴らしい世界があるんだなと知ることができて幸せを感じました。
これから勉強してみたいと思います。

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