T君は45分遅れで起きて来た。

勉強時間は15分しかない。



二人で「おくのほそ道」を読んだ。

原文では彼は理解することが出来ない。

一行一行、私が私が解説する。


月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。


冒頭これで始まる。

過ぎ去って行く年も旅人みたいだ。


よくこのようなことが言えると感心する。

T君は理解しがたいみたいだ。
T君はなかなか起きてこない。

ヨーロッパは冬で朝早く起きらねらしい。

パパがなんとしても起こそうとしてもダメだ。

昨日、三十分だけ授業をした。



「いにしえの心と語ろう」である。

万葉集、古今和歌集、新古今和歌集を勉強した。

私の希望として奈良、平安時代のリズムを学んでほしい。



何度も朗読させた。つまりつまりだけど何とか読めた。

彼が何人になりたいのか分からないが、母国語は日本語だ。

意外と五・七・五・七・七のリズムで読んでいる。


何とか朝早く起きて欲しものだ。
T君が起きてこない。

パパが卍がためをしても、逆にパンチをしてくるらしい。

今日はパパの急所にあたったらしくパパは苦しんでいた。


ヨーロッパも冬になって朝が暗い。

夏の頃はあんなに張り切って起きて来たのに

今はまったく駄目だ。


しょうがないからパパと話をした。


オジサンは今、農業でタマネギを作っている。

1,600個作る予定だが、1個50円として

80,000円の売り上げにしかならない、と言われた。

(儲からない商売だな、と言っていた。)


それから日本国のコメントを頂いた。

パパはエコノミストである。


税収が50兆円しかないのに100兆円使っているのが日本である。

そんな遠くない将来、日本は破綻するとの予言。


また、日銀は潰れる。

気たるべきものは、ハイパーインフレーションか

ハイパーデフレーションのどちらかであろう、とのこと。


消費税は来年10%に上がるが、ヨーロッパ諸国は20%を超えている。

まだ消費税は上がって行くとのこと。


庶民にとって何もいいことはない。
今日もT君が起きてこない。

やっと起きて来たが、またベッドに戻ろうとしたところを

パパにウエスタン・ラリアートを食らいgive up!!


と言うわけで15分遅れで勉強スタート。

「君待つと」- 万葉・古今・新古今である。


まずは万葉集から。


万葉集は勅撰和歌集でないので、

天皇や貴族、兵士、農民などの、広い階層の人々の

素朴な感動が生き生きと歌われている。


万葉集はすべてが定型句でない。

読みずらいところもあるが、例えば


田子の浦うち...


と言った言葉の響きは意味が分からなくても体感して欲しい。



T君は日本人として生きるのであろうか?

もし自分を日本人として認識するのなら

mother tongueとしての日本語の語感を

古典を通して学んでもらいたい。


今日は宿題として各歌を10回づつママの前で

声を出して読んどけ、と言っておいたが、

彼はまた練マザファッカーのラップのリズムに

乗ってしまうのだろうか?


明日は古今和歌集、

小野小町も出てくる。

ワークの問題をやるより、ちょっと彼にはダルイかもしれないが

音読させよう!!





T君が起きた。

パパに「起きるか―。」と言われるとすぐに起きて来た。


昨日までで国語もちょうどいい所で終わっていたので


数学にしようかと思いましたが、彼のリクエストにより国語を続行。


「いにしえの心と語らう」が今日のタイトル。

古今和歌集、仮名序である。



「生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」

なんて言う個所は有名かな?


歌は

 「男女のなかも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり」

とある。


是非、T君も古典を読み、そのリズムと情緒にふれてもらいたいものだ。


最近、彼は変なラップのリズムに乗り

練マザファッカーに凝っているには嘆かわしいものがある。


彼は、「枕の草子」の

  春 → あけぼの (彼は相撲取りと間違えていた)

  夏 → 夜

  秋 → 夕暮れ

  冬 → つとめて

を忘れていた。


日本人の常識、覚えておいてね!!


明日から「万葉集」、「古今和歌集」、「新古今和歌集」

の音読だ。

「古今和歌集」には小野小町も出てくる。イイなー。












やはりT君は起きてこない。

パパが足四の字固めをしたらベッドから起きて来たが、

また戻ろうとするところをコブラツイストをかけられ敢え無くgive up。


今日は「深夜特急」の執筆までの背景。

作者は旅先での手紙と記憶をもとにこの小説を書いた。


インドのチャイの話になった。

私は以前インド系のIT会社にいた時

インドにも半年ほど滞在経験があり、

インド人の恨み辛みを彼にぶち明けた。


インド人のマネージャーから5,000万円でいいから

日本の銀行から仕事を取って来てくれとの依頼。

実際に5,000円で大手信託銀行から仕事を受注してきた。


そうしたらマネージャーが5,000万円出せるなら6,000万円にしようと、

勝手に金額を変えられてしまった。


もちろん仕事はキャンセルになり、お客さんの手前大きな恥をかいた。


このインド人のメンタルティーは未だ理解することが出来ない。


これがもとで後日インド本社から社長さんが来たとき「FUCK YOU!!」

と叫んでしまいクビになってしまった。


作者、沢木耕太郎さんも小説の中でインドの悪戦苦闘を記している。


今から思えば私も若気の至りであり、

異文化はそれなりに理解しなければいけないと思う。


とか、なんとか話しているうちにあっと言う間に一時間過ぎてしまい

今日の授業はお終いになった。


因みに、チャイは美味しい!!






T君が起きて来ない。

パパが足四の字固めをしても駄目だそうだ。


気持ちは分からないでもない。

何で朝6時から勉強しなければいけないのだ、

と疑問を持つのも当然だ。


彼は、練マザファッカーに夢中らしい。

そんなの見ていないでオジサンと勉強しよう!!


授業は「深夜特急」の作者、沢木耕太郎の話だ。

この本、私も若い頃読んだ。

バス、バスのみでユーラシア大陸を横断する物語だ。


彼は学生時代、三菱商事に内定していたが、入社日に雨が降っており

傘がないので出社せず、そのままライターと言う

いい加減な商売に就いた人。


この様なブログを書いて喜んでいるオジサンもかなりいい加減な人。


まあ、所謂バックパッカーの奔りの人ですね。


その後、テレビの進め!電波少年で猿岩石が同じ様なことをしている。


オジサンもロンドンにいた頃、ユーロレイルパスを買って

二週間ヨーロッパ大陸を鉄道で旅をしたものだ。


ユーロレイルパスとは、EU大陸以外で買える切符で

EU大陸の鉄道、特急者、指定席(空いていれば)すべて乗れて

15日間4万円位。


電車に乗っていると、お隣り韓国の若いギャル達も

日本で言う「地球の歩き方」の韓国版を持って旅をしているのを

よく目にした。(う~ん、美味しそう??)


ヨーロッパ大陸を旅してやっとドーバー海峡をフェリーで渡り

イギリスに着くと、英語が通じると故郷に帰って来たような

気分になったことを思い出さされる。


T君もまさしくEU大陸にいるのだから是非旅をし

見聞を広めてほしいものだ。
T君は今日は体調不良のため授業はキャンセル

とのパパからのメール。


彼は最近、「練マザファッカーズ」と言うgroupに傾倒とのウワサ。

リーダーのD.Oさんに注目、2016年にブレークするかも。


さて、昨日、Do you have....?とHave you got....?

の違いについて書きましたが、ちょっと訂正。


T君のパパに聞いたところ

get(got) はよりスラングに近いとのこと。


たまたま私がいたロンドンのオフィスでは

Have you got....? が当たり前のように使われていたことらしい。


私のロンドンでいたオフィスは、East Enders(ロンドンの下町っ子)

の集まりで、イギリスの階級社会で下位の人達。


彼らは狭いロンドンの中でも独特の文化を形成している。


例えば、数字の50のことは 「Hawaii」 と言う。

これはアメリカのテレビドラマ「Hawaii Five-0」から来ている。



ですので、あくまでも「ペン持っている?」の正しい英語は

Do you have a pen?

です。


改めて訂正します。ゴメンなさい。








T君とは今日は日本時間の20時から勉強の予定。

今頃は将来ジゴロになるべくジムでトレーニングの最中のはず??


昨日少し書きましたが、仮定法について。

「ペン持っている?」を英語で言うと、


アメリカ人

  Do you have a pen?

イギリス人

  Have you got a pen?

です。


なんかアメリカ人の言い方だと

  「オイ!!アンタ!!ペン持っている?貸せよ!!」

と聞こえて来るが、


イギリス人だと

  「あの~え~と大変失礼なのですが、御主人、もしかして、

   本当にもしでよろしいのですが、あの~え~と、

   ですからお時間は取りませんが、本当にもし、

   もしで結構なのですが、あの~え~と、ペンなどもしかして
   
   もし持っていたりしていたらいいんですけど、

   貸して頂ける事など、もしかして可能なことでしょうか?」
 

なんて聞こえてくる。


ここにも仮定法過去の言い回しが心地よく婉曲的に表現されている。


アメリカ人のなんて直截的な言い方が無礼にも感じるのは

私だけでしょうか?


昨日コメントにも書きましたが、アメリカ人の英語の先生が

仮定法は単なるidiomatic expressionと言い切りましたが

なんか浅はかな気がする。



ところで中学校の時getのpast participle(過去分詞)は

gottenと一方的に教わりましたが、今ではgotでいいのでしょうか?



因みに紅茶。


  アメリカ → レモンティー

  イギリス → ミルクティー


皆様はどちらがお好みですか?






T君と国語の勉強、

慣用句・ことわざ・故事成語など。


「呉越同舟」→仲の悪いものどうしが同じ場所にいること。

中国の歴史をひも解くと面白いかも。


ところで日本の女性の正装、「呉服」は中国の呉の国の服、

決して日本のオリジナルでは無いことに注意。



さて、最近の日本の英語教育について。


日本の英語教育は文法中心だから英語力が世界において低いとの指摘。

私が思うのには受験英語が出来ない人が果たして英語力がつくのであろうかと言うこと。


高校一年の一学期の英文法(grammar、決してglamour,glamorではありません)

はsubjunctive mood(仮定法)から始まった。


これにはひどく苦労した。

一学期の英語の通信簿が10点満点で5点だった。

夏休みの補習授業にも出席しなければいけなかった。

ひと夏、英文法の参考書を一冊丸暗記する羽目になった。


仮定法を理解することは後で分かったことだが

やはり西欧文化を理解するには必須なことだと思う。


ラテン系の言語ではその特徴が英語に比べて顕著で

仮定法過去、大過去まである。


バーバラ・ストライサンドの「The way we were」(追憶)など聞くと

仮定法に基づいたこの歌は、その機微を理解するには文法力はMUST。


例えば助動詞can,may(could,might)など文法力に裏づいた英語を

知らなければエスプリのきいた英語を話す(書く)ことが

出来るのだろうか?


colloquialな英語も必要であろうが、アメリカでは路上の浮浪者が

みんな話している。


しかし、もうnativeな英語は無理と諦め、文法力に裏付けられた

所謂、Educated Englishを使う方が自分の英語を知性的なものとし、

native speakerに対しても親しめるのでは。


受験英語の定番「試験に出る英単語」、

通称シケ単もしくはデル単の全ての単語を知っている

アメリカ人やイギリス人などいない。


日本人は自分たちの英語にもっと自信を持つ事も必要である!!


聞くところによると東京のBusiness界では若者たちは

TOEICが850点は当たり前なことらしい。


頼もしい時代が来たものだ。