日田ではお盆の13日は、仏前にらくがんや果物、野菜、そうめん、盆だごなどをお供えし、ご先祖様を迎えに行く。盆の間中、そうめんや盆料理をあげる。だごは、盆の期間中は、もち米だけの粉で作り、豆の粉をまぶしてお供えするが、15日には、白い長だごを作って供える。また、ささげ、いもの茎もお供えし、精霊様送りをする。
「たらおさ」は、魚のたらの胃とえらの部分を干したもので、一見、食べ物には見えない。これを水でもどして、お盆の前日、どこの家でも甘辛く煮付ける。大鍋でじっくり時間をかけて煮るので、えらの部分もたいへん柔らかくなり、干物特有の匂いも気にならなくなる。魚本来の味と干物特有の太陽のうまみとがないまぜになった味わい深い食べ物である。北前船に乗せられて博多から日田に運ばれ、日田独自の「たらおさの煮付け」として根付いた。大分市近郊では13日のお迎えの日は酒饅頭をつくる。14日はやせうまを仏壇に供える。15日は仏壇にやせうまともち米の粉のにぎりだんごを供える。にぎりだんごをやせうまでくびっておみやげに持ってお帰りになるという(日本の食生活全集大分の食事)。筑紫野市では13日は迎えだごをつくり、もちを搗く。仏さまにらくがん、梨、ぶどう、盆柿、なすび、きゅうり、豆、そうめん、迎だご、盆料理などを供える(同福岡の食事)。
食文化には地域交流の実態がある。継承したい生活史である。
「たらおさ」は、魚のたらの胃とえらの部分を干したもので、一見、食べ物には見えない。これを水でもどして、お盆の前日、どこの家でも甘辛く煮付ける。大鍋でじっくり時間をかけて煮るので、えらの部分もたいへん柔らかくなり、干物特有の匂いも気にならなくなる。魚本来の味と干物特有の太陽のうまみとがないまぜになった味わい深い食べ物である。北前船に乗せられて博多から日田に運ばれ、日田独自の「たらおさの煮付け」として根付いた。大分市近郊では13日のお迎えの日は酒饅頭をつくる。14日はやせうまを仏壇に供える。15日は仏壇にやせうまともち米の粉のにぎりだんごを供える。にぎりだんごをやせうまでくびっておみやげに持ってお帰りになるという(日本の食生活全集大分の食事)。筑紫野市では13日は迎えだごをつくり、もちを搗く。仏さまにらくがん、梨、ぶどう、盆柿、なすび、きゅうり、豆、そうめん、迎だご、盆料理などを供える(同福岡の食事)。
食文化には地域交流の実態がある。継承したい生活史である。