雨が降る



夏の朝に雨が降る



涼しい風が部屋をつきぬけ



七月の匂いが部屋に満ちた




皮膚を裂き血を流しても いつかは癒える



皮膚が裂け血が流れれば



流れるほどに癒されていく



世界で一番惨めだなんて 思ったのではないか?



生きる意味を忘れていただけなんだろう



死こそが最たる幸せなのは言うまでもない



ただ今ではない まだそのときではない



この親のもとに生まれ,



この学校に学び,この会社で働く



予定調和の中,生まれてきたんじゃない



心動かし未来を裂け 



そのために生を受けた



血を流せ その傷は癒え永遠になる



遠ざかる真珠色 追いつけない珠玉の日々


ハニカム ハニカム


けぶる朝霧 静かにふる雨 峪のせせらぎ 



深緑の景色が夏の永遠に変わる


もう思い出せなくなるよ 


いつかすべてを忘れてしまう