履歴書、職務経歴書による書類選考に通過すると、面接が始まります。
会社やポジションにより回数が異なりますが、1回から3回程度が一般的です。

まず、あなたの入社試験の合否を握る、面接官に関して、人事のプロとして私が理解していることを全てお話ししましょう!

私が皆さんに、面接官側の事情を全てお伝えしたからといって、私が損することも、世の中のたくさんの会社の側が損することもなく、何も悪いことはありません。

むしろ、候補者の皆さんが、会社側が何を求めているかを知り、それに対応した形で面接に臨んでいただけると、より会社側が候補者の皆さんのことを深く理解する事につながり、会社と個人との幸福なマッチングが増え、win-winとなり、よりハッピーな世の中が実現されるのではないかと思います!

世の中には、優れた面接官と、そうでない面接官がいます。

優れた面接官とは、候補者が期待された成果を出せる人材かどうか、面接を通じて正しく見極めることのできる人の事です。
そうでない面接官には、それができません。

ダメな面接官の例について説明しましょう。

ある営業所で、営業事務スタッフの採用をしていて、求められる要件は、

・営業事務の実務経験(2年以上)
・営業の経験があると尚可。
・指示待ちではなく、自ら問題発見し、改善案を提案できる。

だったとしましょう。

営業事務や営業の実務経験の有無は、履歴書・職務経歴書を見れば大体わかりますが、「指示待ちではなく、自ら問題発見し、改善案を提案できる」人材かどうかは、面接で話を聞いてみないことには、なかなかわかりません。

ダメな面接官の場合、面接は次のような展開となります。

面接官:「○○さんは、今のお会社で、営業事務をやっていらっしゃるんですね?」
候補者:「はい、新卒で入社しまして、本社の総務部に1年いましたが、その後、今の営業所に異動になりまして、営業事務は今年で4年目になります。」
面接官:(心の中で)「うん、営業事務経験は、問題なし……。」
面接官:「○○さんは、指示待ちではなく、自ら問題発見し、改善案を提案するタイプの方ですか?」
候補者:「はい、そうです。上司の指示を待つだけでなく、自分から動くタイプだと思います。」
面接官:(心の中で)「必要な職務経験もあるし、指示待ち型ではないし、悪くない印象の人だし、合格だな……。」

これでは、優秀な人材は採用できません。

「あなたは、指示待ちではなく、自ら問題発見し、改善案を提案するタイプの人ですか?」と聞かれたら、普通は誰だって
「はい、そうです。」
と答えるのではないでしょうか。

このような、意味のないやり取りをするだけでは、募集ポジションに適切な人材かどうかを見極めるための面接になっているとは言えません……。