ご無沙汰です! 8月はデンマークに1週間のバケーションに行った後、
すぐに娘が新しい幼稚園に転園して、バタバタと過ぎてしまいました。
先週は慣らし保育だったのですが、職員と意見が合わずに色々大変です。
今週も戦っています
まあ、それはさておき、先週末は菓子職人として、また新たな素晴らしい経験をさせていただきました。
ストックホルム市内の民族博物館には何と、ここが日本かと錯覚してしまいそうな程の
ヨーロッパ随一の立派なお茶室 瑞暉亭(ずいきてい) があります。
日本からの寄贈として27年前に博物館敷地内に建てられましたが、現在のものは二代目で、
初代の瑞暉亭は1935年に建てられて、69年に焼失されてしまったそうですが、
ヨーロッパで初の本格的な茶室だったそうです。
日本で建てられた後に分解、輸送されて、組み立てられているので
本当に完全な日本式の茶室で、お庭も素敵です。
待合もあるんです。
間違いなく、スウェーデンで一番日本を感じられる場所です。
八月初旬に始めてこちらを訪れて、ちょうど期間限定で行われていた誰でも参加できる
オープン茶室の日にお抹茶とお菓子を頂いたのですが、あまりの美しさに感激しました。
日本ですら本格的なお茶室に行ったことのない私でしたが、瑞暉亭に流れる穏やかな空気の
中でお抹茶をいただく時間は至福で、世界に誇れる日本の文化に一日本人として嬉しくなりました。
そんな瑞暉亭にて日曜日に行われたガデリウス記念茶会と言う、現在の及び、初代の瑞暉亭の建設に貢献したイダ・トロッチック女史,藤原銀次郎氏,タロー・ガデリウス氏への感謝を込めて
毎年行われているお茶会のためのお菓子を担当させていただく機会をいただきました。
なんと光栄なことでしょうか!!!
まだ8月ですがすっかり秋の陽気のストックホルム。夜空に浮かぶ秋の満月とススキを表現し、
美しい月や名月を意味する「佳月」と言う銘をつけました。
周りは外郎製で藤色のグラデーションに黄色い月を透かせて、黄身餡を包んでいます。
ご存知の通り、私は普段は洋菓子を専門としているので本格的な和菓子をお仕事として制作するのは初めてのことで、洋菓子とはまた異なる和菓子の難しさに試行錯誤しました。
派手なデコレーションのある洋菓子と違って、シンプルな和菓子は誤魔化しがききませんし
作り手の熟練度がダイレクトに出ます。
また、どうしてもここは海外。 手にはいる材料に限りがあります。
日本のように米の粉一つとっても何種類もあるのとは違い、せいぜいうるち米の粉かもち米の粉しか
ありません。 小豆や白餡の豆も産地やグレードが色々選べる日本とは異なり、
手にはいるだけマシと言う状況。 その中で何が作れるかを頭をひねって考えました。
あの素晴らしいお茶室で私の作ったお菓子がお抹茶と供に出していただけるとのことで、
未熟ながら精一杯心を込めて作らせていただきました。
ご好評いただいたとのことで、大変嬉しいです。
茶道裏千家淡交会スウェーデン協会の皆様、民族博物館様、お茶会に参加された皆様、
新しい事に挑戦する素晴らしい機会を与えて下さり誠にありがとうございました。
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製菓学校時代には洋菓子、和菓子、パンの授業があったのですが、和菓子の講師として教えて
下さっていたのは80歳前後の現役の和菓子職人のお爺ちゃん先生でした。
製菓理論(と言う学問があります)を元に、洋菓子を教えてくれる先生達とは違い、その先生は
生徒が何を聞いても 『 それは塩梅だからね~、上手く答えられないんだよな~ 』 と言っていました。
若い生徒達はその曖昧な答えに不満そうでした。
私は心の中で 『 塩梅先生 』 と呼んでいました。笑
そして和菓子を作ってみて始めて先生のおっしゃってたことがよく理解できます。
『 和菓子作りは塩梅 』 なんです。 本当に。
塩梅は一日二日で身につくものでは無いので、ただ何度も繰り返し作っては食べて
指先や舌に塩梅を覚えさせるしかありません。
和菓子を作っている時は、いつも塩梅先生のおっしゃっていたことを頭の中で繰り返す私です。
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★9/5(火)、7(木) 自宅お菓子教室@ストックホルム 参加者募集中★
9月は抹茶や求肥を使った和洋折衷なケーキです。
応用で大福も作ります。
5日 残り2席
7日 残り1席
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https://ameblo.jp/bon-aibon/entry-12300669639.html
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