こないだの話なんだが。
夜家の近くのセブンイレブンへオネブと行った時の事である。
ウチらがセブンイレブンに入ってすぐ1人の黒人男性が入ってきた。
ジェロのような出で立ちの彼が入ってきたせいでこの汚いセブンイレブンに一気にスラム街の空気がただよった。
心の中でウチは
『おぅブラザー。』と呟いた。
黒人は店にはいるやいなや発泡酒を三本手に取り店内をまわった。
ウチは興味津々に黒人を観察していたがその興味はすぐにたけのこの里に移っていた。
たけのこの里に夢中になっていたらいつの間にか黒人はいなくなっていた。
ウチらも買い物が終わったので店をあとにした。
外に出て帰路についているとオネブがふとこう言った。
『さっきの外人せつない。』と。
オネブも黒人に興味を抱いていたとは。
なぜせつないのか聞いてみた。
オネブが言うには遠い異国(日本)のしかも東区っていうこんな田舎に1人ぼっちで住んでるなんてせつなすぎるとの事だ。
オネブはウチがたけのこの里に興味がそれていた時も黒人をそっと見守っていたらしく
黒人はレジの会計の時お金を出すのに手間取っていたらしくオネブはそれを見て心が痛んだらしい。
なぜ心が痛んだのかまた聞いてみると
まだこっち(日本)に来て間もないから日本円の区別がまだできていないんだと思う。とオネブは悲しそうに言っていた。
完全にオネブの妄想である。
あの黒人とは今さっき初めて会ったばかりでましてや一切会話も交えてないのになぜあの黒人が日本に来て間もないなどオネブにわかるのか。
もしかしたらもう日本に来て二年くらい経ってるかもしれないのに。
でもそれは黒人に聞かなきゃわからない。
なのでオネブは完全に妄想で勝手にせつなくなってたのである。
そうなるとお金を出すのに手間取っていたというくだりも怪しくなってくる。
オネブはあの黒人は日本円をまだきちんと把握できていないと勝手に言っていたがその意見ももしただのオネブの妄想だったら…
黒人がお金を出すのに手間取っていたのはあまりお釣りをジャラジャラもらわないよう計算していたがため手間取っていたとしたら…
ウチがオネブの隣で悶々とそんな事を考えている間まだオネブは黒人の事を気にかけていた。
しまいには勝手に『マイケル』とまで呼ぶ始末であった。
マイケルの話は家に着くまで続いた。
マイケルは徒歩でセブンイレブンに来ていたからきっとこの近くに住んでるはずだ。とまだオネブは妄想していた。
まぁでもその点に関しては妄想ではなく確かにそうだとウチでもわかる。
だって徒歩だもん。
マイケルの住む町に私達も住んでいます。