スーツ (赤
他愛もない話である。
レッドです。
先日終電で帰宅する途中、国会議事堂前駅のエレベーターのなかで
まったく同じスーツを着た女性と乗り合わせた。
ベネトンのストライプジャケット。
彼女は他のひとと一緒で話に夢中で
私なんかまったく目に入らない。
女性のスーツが、同じ、というのは珍しいことだと思う。
スーツ人口がまず多くないから、
そこからして確立は低いのにね。
しかし思ったのは、スーツの不思議。
同じスーツ着ているだけで、彼女と自分とのスーツの下にある
生活や人生の違いについて考えてみたりして。
このジャケットに、このパンツを持ってくるか……
あわないだろう……あんまり服にこだわらないんだろうな。
でもそのわりにベネトンのスーツって、
ちょっとおもしろいとこついてくるナァ。
仕事、できそうには見えないよねぇ。
同じスーツでも、私のほうがよっぽどデキル女風に見えるよ。
なぞと、意地悪く心の中で比較してみるのだ。
もちろん彼女にはなんの落ち度もなく、ただ不幸にも
物事をナナメに見る底意地悪い女と同じスーツを着てしまっただけである。
なにしろ何でも「かっこうから」入る女である。
そうやって近い距離で同じスーツと出くわすという、バツの悪い思いを
してしまったので、誰に対してかの照れ隠しで、
批判しなければやっていけないのであろう。
本当にかっこういい女、になるのは当分先のようである。
red