『ナラタージュ』 島本理生著(赤 | bombernet☆

『ナラタージュ』 島本理生著(赤

代え難い人に出逢ってしまった。

雨の中、太陽の真下、新緑の森の奥深く。

あの日、あの人を見つけた。


思い出だけで、生きていける。

きっと二度と、会うことはないのだろうけど。


今夜のコトの葉in LIFEは

島本理生さん『ナラタージュ』 より。



きっとそれ、

子供だったから愛とは違うとかじゃなくて

子供だったから、愛してるってことに気付かなかったんだよ


ナラタージュ


ページをめくればトビラの部分にまるで映画の字幕のように、

このことばが書かれている。

タイトル『ナラタージュ』とは、映画などで、回想の形で過去の出来事を

物語ること、だという。


誰でも一度は経験があるかもしれない。

切なく、苦しく魂が焦がれるような恋。

そしてその余韻でこの先も生きていける、と言い切れるくらいの恋。

主人公、泉のようにまっすぐストイックに向かう少女に、

読み手は自分の青春時代をどこかで重ねるかもしれない。

幼いほどに、不器用で

幼いほどに、真剣な

それでも身動きがとれないくらい激しく誰かを愛した。


過去に封をして、新たな人と幾度出会っても

心の中の熱くて痛くて心地いい感触は消えない。

思い出を食べて、女は生きていける。

そして、ひとりほくそ笑む。

そういう生き物。



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