鷲尾和彦 写真展『極東ホテル』 (赤 | bombernet☆

鷲尾和彦 写真展『極東ホテル』 (赤

行き過ぎる人々がいる。

―passengers in the far east


土地を、踏む。

―not staying, but stepping


そして目前を通過していく彼らをただみる、男、ひとり。

―just, just, he kept going...



レッドです。

以前こちらで告知のあった 鷲尾和彦さんの写真展に、イエローとともに行ってきました。

東京都台東区にある通称山谷(サンヤ)地区。

古くから日雇い労働者の町として有名なこの町に、外国人バックパッカー向けのその宿はある。

ここで夏のひと月を過ごした鷲尾さんと、訪れる旅行者たちとの瞬間の記録。


日々は移ろい、流れてゆくから。

時は留めておくことはできない。

対話なのかひとりごちた言葉の端なのか。

鷲尾さんのシンプルなテキストに、シンプルなポートレート。

虚ろな目をした男性、疲れの色を浮かべる青年、ゴスロリファッションに身を包む女性・・・


「それに言葉は必ずしも正しくその意味を伝えているとは限らない」

写真の横に貼られたテキストにはある。

彼らが東京の、日本の何を見たいと思ったのか。

それを問うても無駄である。彼らさえもよく分かっていないのだから。


あくまで個室を提供するこのホテルにおいては、

欧米でよくあるドミトリー(大部屋を複数人で共有する)と違って、

旅行者同士の慣れ合いが起こりにくい。

東京の都市とホテルの往来に終始するバックパッカーも多く、

「ある意味とても『東京』的」だと写真家は思う。

「匿名性とそれ故の都会的なディスコミニケーションを前提とした空間」

それが、極東ホテル。


蛍光灯の下で撮ると緑色に写ると本で読んだことがある。

ポートレートの中の彼らは、強いオーラはないが存在感はある。

それは写真家の作り出す光と影のせいなのか、

「異邦人」としてぼうっと浮かび上がるどこか所在無げな彼らのまとう空気感なのか。


5年前、バックパッカーをしていた時、レッドはよく答えた。

"Where are you from?"

"Japan,----far east country "


そして今、全ての写真を見終わると、やがて知るだろう。

写真家も、いやもしかしたら私たちもまた、"passengers in the far east" なのかもしれない。


出会いは別れである。

そんな当たり前のことをシンプルに感じさせてくれた写真展だった。

お話しいただいた鷲尾さん、どうもありがとうございました。

鷲尾さんHPはこちら↓

http://www.washiokazuhiko.jp/



red