この楓の元の姿は、残念ながらありません。
言葉で説明すると、「座がデカく、枝太りした株立ち吹流し風で、それがガレている樹」でした。
ああなると、そこからの復活は無理なので、登頂部の一芽だけ残して、他はすべてさらいました。
それから6~7年くらいでしょうか。
枝接ぎ、枝接ぎで作り直し中です。
そして、やっとナントカ形になりつつあるところですが・・・
この赤丸部分が最後に残された問題です。
この枝がやや後ろ付きなんですね。
別な太い楓04番と同じでしたね。
そこで・・・
やや深めにノコを入れ・・・
裏枝の必要ないヤツを回して、溝にスッポリと収めます。
回し接ぎは、なるべく深く溝を切るのが「決め手」です。
この枝が溝周りの肉巻きに埋まればいいんですね。
回し接ぎ作業が終わったら針金整枝します。
芯も決めました。
切り戻し・・・足りないですね。
で、これが裏ですが・・・
なんか、こっちの方が枝順や模様がいいような気がしてきました。
それってアリでしょうか。
盆栽こぼれ話:一昨日、秋元園芸で開かれた進久展の即売棚をbkさんと物色していました。そこに初老の方が小さめの盆栽を荷入れしてきました。
正直、樹は見るべきものがないんですが、鉢は洒落たものがありました。
bkさんが「これは慶心ですかね」と聞くので、「ああ、堂下慶心だねえ」なんて知ったかぶりしていると、「ああそれ、私のです」と先ほどの初老の方。
この秋元さんの会員である慶心さんに、初めてお目にかかりました。慶心さんの呉須絵の鉢を持っていたこともありますので、ちょっと近親感が湧きました。