高校の修学旅行(1)

の続きです。

 

旅行中は北京飯店に泊まった。一日北京の市内での自由行動があったので、友人TUとHIとともに天安門広場、天壇公園、買い物、その間に何か食べてみるということを計画した。市街を抜け天安門まで行った。現在と違い、毛沢東の肖像は色が薄くなっていた。東西の道は道の先が地平線になっていた。道には延々と地平線のかなたまでぱらぱらと人がいるのが見えた。パリでもまっすぐな道があったが、北京の場合は街路樹がなく、道の両側が白い壁が延々と続いているので本当に町の広がりを感じられた。今まで海外の大都市はロンドン、パリ、ローマを見てきたが広さを感じるのは圧倒的に北京だった。

天安門から天壇公園へ歩いていった。記念写真を撮ろうとしたら、通りがかりの人がシャッターを押してくれることを請け負ってくれ、その上、日本語で台座の上からの景色や、各建屋で見ものになるものや、裏手にある模様の話などをしてくれた。

天壇公園から商店街へ行く最中は、4区画ほど歩いたのだが、道の両側が全て白い壁で時々門があり、守衛さんが立っていた。門から入ろうとすると守衛さんに制止された。自転車で通りがかった人から日本語で「そこは入ってはいけません。あまり衛生的ではないのです。」と言われた。別の門の前を通った時に中を見たら小さな子供が便をたれながら裸で歩いているのが門の中に見え、かつどうしようもないような臭いにおいが匂ってきていた。中には京劇などで見るような街が広がっているのが見えたがとても入る気が起きず、少々幻滅した。門の中の町の土が異様に黄色い気がした。途中でホテルに戻り、水分の補給のついでに遅めの昼食をホテルでとった。市街のレストランは言葉がつうじずらかったためホテルに戻って食事をとることにした。

商店街について土産物や雑貨の店を回り、着物の店にも入った。香港で2万8千円ぐらいしたカシミヤのセーターが6千円ぐらいで売っていたので買ってみることにした。他に共産党政権下の労働者の服が欲しかったが帽子しか買えなかった。色々考えて店の人に片言の漢字で筆談をして帽子以外の服やズボンがないか聞いてみたが意思をうまく伝えられなかった。しばらくすると、その商店を訪れていたお客の人の一人が日本語で「通りを暫く言ったところにある大型店の3Fで扱っている専門店がある」と教えてくれた。結果的に専門店へ行ったのだが結構値が張るのとサイズもかなり綿密に測る必要があったので諦めた。他に大型店で土産物を幾つか買って帰った。(後輩へのお土産に鼻が通るようになる香と飾り物3品ほど)

トイレなどはホテルや大型商店ですませたため、名物の公衆トイレは体験しなかった。(ちょっと入る勇気がなかった。皆で仕切りの無いところでふんばっているそうだが、後始末の仕方は不明)

 
最期にホテルへ戻るときに、一緒に歩き回ったTUとHIと歩き回っている時の感想を話し合った。
 
私「今まで香港、珠海、マカオ、桂林に行ったが、今回特別行政区の北京に初めて来た。ことあるごとに日本語のわかる親切な人があらわれて不自由なく過ごせた。特別行政区だから日本通な人とかも普段から大量に歩いているものなのだろうか?TU君は他の特別行政区の上海や天津にいったことがあると思うが向こうもこういうふうなのだろうか?日本好きのいい人が大勢いるのだろうか?」
 
TU「気づいていたか。今日はおかしい。上海、天津でも今日みたいなことはない。日本好きが大勢いる可能性はあるが、一つ一つが暇つぶしというより事務的に親切だったと思う。」
 
HI「何かおかしなことあったか?」
 
TU「要するに、(HIに近づき小声で)尾けられてるぜ。」
 
HI「?????なんで、(急におどおどしながら)誰が????」
 
私「公安じゃないかと思う」
 
TU「(HIに近づき小声で)落ち着け、キョドると気づいていることがばれるだろ。公安とは中国版のKGBだ」
 
HI「(真っ青で冷や汗をかきながら)秘密警察?冗談だよね」
 
TU「多分、さっきお前が買ったものに間違って国家機密を収めたマイクロフィルムとかが入っていたようだ。俺たちは先に日本に帰るから世界中を逃げ回って殺されないように頑張れよ。」
 
HI「(涙目になって)俺何もしていないのに。」
私「しょうがない嘘ついてんじゃねぇ。スパイ容疑がかかってるわけじゃなくて、公安又は類似組織が護衛をしているんじゃないかという話だ。日本で外国人が買い物をしていて困るたびに、その外国人の言葉を喋る人が現れることはあるか?今日は都合が良すぎないか?」
 
HI「あ・・・本当だ!」
 
TU「あと、観光地では万里の長城に行った時のようにものを売りつけに来る人間に良くつかまるだろうが、今日2度しか会わなかった。少ないわけではなく、こちらに向かってくる人間が他にもいたが、急に方向転換するやつを今日は何人も見ている。」
 
私「おまえよく見てるな、そんなことあったんだ。ただ尾けられているわけではなく、まわりに交代で張り付いている感じだと思う。皆普通に去って行っているから。」
 
HI「中国ってすごいな、俺たちはそこまでしてもらうほど価値のある人間なのだろうか?」
 
私「中国にはいつか何かしてあげたいものだ。」
TU、HI「同感だ」