私は、翻訳だけではなくテクニカルライティングの仕事もしています。
テクニカルライティングとは聞き慣れない言葉かもしれません。製品に付いているマニュアルを書くことです。「取説」と言えば、ピンとくる人もいるでしょう。テクニカルライティングを仕事にする人のことを「テクニカルライター」といいます。
「マニュアル人間」とか「マニュアルどおりにしか動けない」など、「マニュアル」は良い意味では使われない言葉ですね。でも工業製品には製造物責任というものがあって、マニュアルの不備が原因で訴えられることもあるんです。
マニュアルが整備されているだけでは不十分です。多くの企業がマニュアルの問題点を抱えています。必要なことが書いてない、書いてある内容がわからない、あるいはわかりにくいという問題です。
テクニカルライターは、正確でわかりやすい文章を書く必要があります。100人が100通りの解釈をできるような文章は、マニュアルには適さないのです。マニュアルに必要なのは、誰が読んでも同じ意味になる文章です。