でんどうこけし | ルツボログ

でんどうこけし

みそです。


企画書ラッシュから一休みして、今日からは報告書ラッシュです。今年度は重いやつが4件。今日丸半日を費やし、最初の1本を終えました。

なかなか幸先が良いですぞ。残りの3本は前年度も実績があるのでフォーマット自体はできており、それを最新のデータに更新するだけです。「だけ」と言ってもそれはまあ、そこが大変なんですけどね。


んで、今日は営業の帰りにコッソリ五月人形の下見のため節句人形店に一瞬寄ってきました。

もうすぐ息子の初節句!本当はもうそろそろ飾り始めても良いくらいの時期であるところ、まあいろいろ忙しかったのでという言い訳。もはやずいぶん昔の話になってしまいましたが、およそ8年前までの新卒のとき、東京の節句人形商社で働いていたため、かつての業界人として何かしらお祝いをして我が国の文化維持発展に貢献したいなあと思っておるのですよ。


とはいえ節句人形って、1ユーザー目線で言えば

「なんでこんな高いの?」

しか出てこない金額設定です。少子化も加速してるし、冷静に考えてそりゃ売れんわという話。かつての業界人だからこそ変なこだわりを持たず、身の丈にあったものを買いたいなと思います。節句人形の価格差は主に3つの観点で生じ、

・材料

・製法

・職人のグレード

です。書いてみると他の産業と別に変わらんな。材料は例えば布の部分が正絹か化学繊維かで原価が違いますし、製法は金属板を手作業で加工するか鋳造するか等の手間賃の違い、最後にブランド性や工芸作家のランク、という具合です。

ガラスケースに入った数万円の品なんかはマスプロダクツに近く、色柄以外の品質にあまり差異はありません。20万円→40万円くらいの幅で金額が上がる際に上記のような要素がかなり色濃く影響してきます。

問題は、手間賃だの職人の名前だの、価格の根拠になっている工芸品としての加点要素が必ずしも機能や見栄えの良さに跳ね返るわけではないということです。上記の例で言えば、金属板を叩いて作ったか型に流し込んで作ったかの違いが眺めるだけの素人に何か関係あるの?って話です。

1年の中の2ヶ月弱出して飾るだけの置物に、そんなお題目ばかりの品質ランクを気にしてもしょうがねえだろうと。飾って楽しい色や形のものがあればそれで良いし、服やバッグならいざ知らず、普段使いするわけでもないニッチな商材でブランドも何もあるかと。


いかんせん商材の勉強はそこそこしましたし、「少しでも高いものを買わせるために教育しながら接客しろ」という傲慢な営業スタイルを押し付けられてきたので、自分でも低価格帯のものがややチャチく見えてしまうのは否めません。

ただ、それが商売や消費の全てではないなと今は思うので、不要なこだわりは持つなと自分に言い聞かせる次第です。