白い空間から目覚めるときになると、灰色の直方体は下から消滅しました。周りの色は、黒から白に変化しました。白い空間は眩しくなり、私は目覚めました。
「30分くらい寝たのか。さて、賞金200万円をFXに投資するか、または普通二輪免許を取るために使うのか。どちらにしようか。」
200万円が入っている左側のズボンのポケットに、左手で触りました。


「200万円が無い!!どうゆうことだ!まさか、青年かマフラーの男か司会者、または他人に200万円を盗まれたのか。眠っていたから気付かなかった可能性は高い。そんなはずでは・・・。」
私は、企業セミナーが終わって油断してしまいました。200万円という普段では持ち歩くことはないお金を持っているにも関わらず、眠ってしまった私が愚かでした。

私は、意気消沈して、周りを見渡します。
「何だこの部屋は!!」
私は、賞金200万円を受け取った応接室ではない別の部屋に移動していました。
「なんで布団が敷かれているのだろうか。司会者の指示で、私が寝ている間に布団が敷いている部屋に移動されたのか。」

私は、何か違和感を感じました。服装は、緑色と黒色のチェック柄のシャツと灰色の九分袖、紺色のジーパンを着ていました。布団が敷かれている部屋に移動させられたら、青色のフリースと白色のVネックのTシャツに深緑色のズボン、と服装が変わっていました。
移動させられた部屋を見渡すと、クローゼットがあり、木製のテーブルがあり、メタルラックがあります。
「どこかで見たことがある部屋だな。ドアがあるから部屋を出よう。」
私は茶色のドアを開けると、右手に冷蔵庫がありました。喉が渇いたので、冷蔵庫を開けました。500mlのペットボトルの緑茶が1本ありました。迷まずペットボルトのふたを回しました。

カチカチ、というプラスチックの音がよく響きます。私は、緑茶を少しずつ飲みました。
「久しぶりに美味い飲みものを飲んだ気がする。企業セミナーで用意されていた飲み物は、不味かった。特に白い建物1階のトイレの洗面台で飲んだ水は不味かった。」
廊下のまわりは肌寒く感じるのに、冷蔵庫で冷やされた緑茶を飲みながら部屋に戻りました。

私は、移動された部屋にあるクローゼットの中身が気になるので、開けることにしました。クローゼットの中身は、ノートパソコンの空箱、青色のダウンジャケット、黒色のセーターなど私の見慣れている物がありました。

メタルラックも見てみると、紫色のシャツ、空色で5つボタンのあるシャツ、かかとまでの長さがある靴下が3足、薄茶色のベルトが1つあります。私が着ている服装です。

クローゼットの中身とメタルラックの物を見て初めて、私は私自身の部屋にいることを確認しました。
「一体、企業セミナーに申込みをした覚えはないのに、企業セミナーに参加していたのだろうか。」
私は、冷静に考えました。

企業セミナーが開催されたのは、私の夢の中の世界で行われたので、現実世界では起きていません。企業セミナーに関しての内容も夢の世界だったので、現実世界では私は夢に魘されていただけでした。企業セミナーの参加者たち企業セミナーを運営していた人達も、夢の中で作られた仮想人物です。200万円を貰ったのは夢の中の世界で起きた出来事だったので、現実世界では200万円を貰うことはできない。

そうか、私が企業セミナーで行われた内容は、全て夢でした。私が見てきた夢のなかで、最も印象に残った{変わった夢}でした。



変わった夢に登場する 人物、企業、企業セミナーについては、一切実在しません。

「答えが分かった場合は、口頭で話して下さい。」
青年は、考えました。
「企業セミナーに来る前は、中小企業の商社の株式会社に勤務していた。俺は、第一志望の企業に面接を受けたが、第三面接で不採用通知を貰ってしまった。20社ほど企業の面接を受け、ようやく従業員200名ほどの商社に内定通知を貰うことができた。」
青年は、自分の過去を振り返ることにしました。

「時間が無くなってきましたよ。」
司会者の焦らせる言葉に聞く耳を持たず、
「俺が勤めていた商社で毎月月末になると、決まり文句が社内に響き渡る。」
「自身に課せられた目標予算を立てることができたか!」
ノルマを達成できたかどうか訪ねてくる。ノルマを達成している場合は、いつもの台詞かと聞かなくてもいいが、達成していない場合は、心に刺さる。焦りが募る。
従業員たちは、もう一つの決まり文句を聞かなければならない。
「我が社の利益は、我が社の株主様に還元しなければならない。」
2つの決まり文句には、もう飽きた。

俺は、株式会社とは誰のものだろうか知りたくなったので、株についての書籍を本屋で買ってきた。
株式を買えば、会社が利益を上げたら、株式を買った金額に対して利益を分けることが分かった。
株式を買えば、会社の所有者になれる。
俺は、会社の所有者は社長だと思っていた。社長が会社の株式を多く持っている場合は、会社の所有者になるが、株式を持っていなければ、所有者に雇われている従業員にすぎない。
青年は、答えを見つけました。

「株式会社の所有者は、株主です。」
青年は、解答しました。
「正解です。」
司会者は、待機している監視係に2階に通じる廊下に案内するよう指示しました。
「解答するまで、2分ですか。少し時間をかけすぎてしまったようですね。正解を言えたから良しとしますか。」

2階から1階に降りるには、正面玄関の屋根に移動して、屋根を両手でぶら下がった後、両手を離して降りれば終了です。

第3の課題が終わった後は、待機させることにしました。待機させた目的は、個人が他人と協力して行動できるかどうか知るためです。
疲れが溜まっているときに、第4の課題が発表されたらどうするか考えるでしょう。厳しいときにこそ人間が協力し合えばならない、と私は思うのです。

監視した結果は、賞金を独り占めしたいと考えて協力しなかったり、信じられるのは自分だけだと思って協力しなかったり、他人が信用できないと思っていたので協力できなかったのでしょう。
参加者は協力しようと行動しましたが、実現できなかったのが残念です。

司会者こと、企業セミナーを開催した会社の専務取締役は、青年とマフラーの男と私の査定表をもちながら、企業セミナーを振り返りました。

「198、199、200!本当に200万円ある!!」
私は、念のため100万円の札束2束を崩し、1枚ずつ数えなおしました。一度数えなおしたら、もう一度1枚目から数えなおしました。
「寒くなったきたから、緑色のシャツを着るか。」
私は、緑色のシャツを着ました。賞金200万円をFXの投資金にするか、自動二輪の免許を取るために使うか迷っていました。

「そろそろ眠くなってきたな。午前10時までまだ時間があるから休憩しよう。」
私は目を瞑ると、灰色の直方体が12体現れた周りが黒くなり、直方体より上は白い空間の中にくつろぎました。音は無い空間ですが、何故か居心地がよく眠ることができました。

次回につづく この話に登場する人物、企業、企業セミナーはフィクションです。

第3の課題は、冷静な判断力を測るために行いました。

制限時間10分で、10階の応接室から白い建物から脱出しなければならないことに、いかに早く理解できるか。頭では理解できても、脱出するという行動に移せなければ意味がありません。制限時間に焦って冷静さを失ってはいけません。

10階建てのビルは、2つの階段と2つのエレベーターがあります。エレベーターを使えば、1階まで簡単に降りれてしまうので、使えないように電源を切りました。私が、なぜエレベーターがあるのに、エレベーターを使わなかったのか。参加者たちに考えてもらうために、わざわざ階段を使いました。エレベーターの7階の扉に〈故障中〉の看板に気付いてくれるのか、気になりました。

7階エレベーター付近の監視カメラの映像を確認したところ、故障中の看板を見たのは、灰色の九分袖を着ている人だけでした。看板に気が付いたので査定表に加点しました。

2つの階段はビルの端にあり、階段と階段の間は、約30m離れています。10階から6階までは、非常階段をベニヤ板の壁で封鎖したので、階段で降りなければ、脱出できません。6階からは非常階段、避難はしごを使えば、3階まで降りることができます。6階から3階までの階段は、防火用の扉で封鎖しました。防火用の扉に付いている小さな扉も開かないよう、ベニヤ板で塞いでおきました。

3階まで行く為に3種類の道を用意しました。

1つ目の道は、6階の廊下にある避難はしごを使い、3階まで降りてもらう方法です。避難はしごは、白いビルの3階 屋根上ピロティーに降りれるところに配置しました。避難はしごの取扱説明書を読んでから、組み立てたら降りるだけです。避難はしごから誤って落ちる、ということを想定して、はしごを下した辺りにバンジージャンプに使われるマットを敷いておきました。避難はしごから落ちたらどうしよう、と考えてはしごに手を架けれない臆病者は、当社に必要ありません。

他の道は、6階から非常階段で3階まで降ります。3階から2階までの間には鉄格子で封鎖しておいたので、3階の非常階段付近のドアを開け、廊下を進んだ先に2つの部屋を用意しました。

第2の道は、右側の部屋の中にあるマネキン人形問題を解いてもらいます。問題は専務取締役が作成したものを、企業セミナーで使うことにしました。

第3の道は、左側の部屋に入ると、
問題 株式会社の所有者は誰か答えない。間違った解答を書いた場合は、失格にします。
社会人になら知ってほしいことを出題しました。

次回につづく この話に登場する人物、企業、企業セミナーはフィクションです。