京浜東北線に乗っていたら
ひどく酔っ払ったおっさん(60歳ぐらい)がフラフラ
歩き回りつつ周りの人間に話しかけていた。
曰く「この人なら騙せる、それを見分けるのが仕事だ」
とそんなようなことを口々に叫んでいた。
どう見てもタダの小汚いおっさんで、はっきり言って
迷惑極まりなかったが、言っていた言葉には
中々興味を引かれた。
社会に出てから自分の保身のために
しょうもない嘘をつく人間に結構出会うようになった。
人を騙す事が仕事、というのは単に詐欺師という類を
指すだけとは思えない。
くだらない嘘つきは自分を含め身の回りにたくさんいる。
おっさんはそのままフラフラと隣の車両に移っていったのだが
そこで若者達(20代前半ぐらい)となにやら話していた。
時折若者の笑い声が聞こえたが、話し声はおっさんの声のみしか
届いてこなかった。金も住まいも無い、とかそんなような叫びだったが、
そんな状況でも酔っ払う余裕があるというのはどうも理解しがたかったけど
まあなんだかんだで平和な国の姿なのだろう。
あのおっさんは金も住まいもなくて越冬できるのだろうか。
それともそれも嘘なのか。
なんて事を考えていたら目的地についたので電車を降りた。
少なくとも今日は誰にも嘘はついてない。ずっと一人だったから。