田中は土曜日出勤ということでいやいや出社した。


業務内容は聞かされていないが、たぶん、事務作業が中心だと思っていた。




しかし、柳沢からの命令は、テレアポであった。


そして、ボランティアの治験のテレアポをして来いと言われる。




今までは、パソコン教室の紹介のテレアポだったので、そこまで嫌ではなかったが、なぜパソコン教室がボランティアの治験のテレアポをしなければならないのか・・・と田中は切れる。



しかし、上司命令は逆らえず、私は、クエスションの事務所に行き、テレアポの準備をする。


土曜日の午後3時ごろだった。


$大阪府内、元悪徳パソコン学校勤務、会社と闘った元パソコンインストラクターの実体験


$大阪府内、元悪徳パソコン学校勤務、会社と闘った元パソコンインストラクターの実体験



以上のようなマニュアルを渡され、そして杉本と向かい合い、お互い2回ずつ原稿を読み上げ、柳沢が話し方をチェックする。


2人ともマニュアルの内容がただちに理解できなかったので、棒読みになりながらも、何とか読み上げる。



田中は柳沢はアホかと思っていたが、平静を装う。


治験のテレアポなんて全く意味がわからない。事務所に来てくれと言ってくる奴は普通いないだろう・・・。


クエスション(仮名)のホームページはあるが、まったく治験の内容は記されていない。


怪しすぎる。そんなものに手を出さないといけないぐらい追い込まれているのか・・・とすら思った。



おかしい。絶対におかしい。なんでこんなことをやらなあかんねん。俺はパソコンインストラクターやないか・・・。講師がなんでこんなことをやらされなあかんねん。



田中は、読み合わせが終わった後、テレアポに行くも、ついにブチ切れ、どうしようもなくなる。


目には大粒の涙が流れていた。



業務命令とはいえ、こんなことをやらされるのは馬鹿すぎる。


労働基準局とかハロワに行って、業務内容の相違を主張してすぐやめたるねん。


政治家にもいったる。


もう会社には来んと思い、会社を飛び出す。



ただ、木田先輩だけはわりかし尊敬していたので、会社を飛び出したとき、ふと木田には電話をした。


田中は柳沢はおかしいし、話を聞かないから俺はもうやめますといった。今までありがとうございましたと木田には電話をする。

しかし木田はただうなづくだけだった。


そして木田の近くに、中田がいたので、中田と変わると言い出し、強引に中田と変わらされる・・・。



田中は「えっ中田・・・??」


と思ったが、電話先から中田の声が聞こえる。


中田は全く怪しくないと思うけどなぁ・・・治験はといいつつも、社会人の義務として、必ず柳沢に話に行きなさいと言われ、田中はいったん戻ることにした。


そして、田中は、事務所に戻り、柳沢のもとに向かった。