8/2 【ボローニャ国際絵本原画展】
ボローニャ国際絵本原画展へ。
日本からは、さぶさちえさんの繊細な切り絵、スズキトモコさんのあたたかな色彩、寺澤智恵子さんの猫の銅版画。
他、ファン・リャンシン『海から山へ』(台湾)、ジャンヌ・マケーニュ『ちょっとおでかけ』(フランス)が印象的だった。
ユリア・ツヴェリチナ(ウクライナ)の『戦争日記』には息を呑んだ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/b5/b4/j/o1080108015332070337.jpg?caw=800)
ボローニャ国際絵本原画展は2010年あたりから観に行っている。
今年はアジア勢が目立っていたように思う。中国、台湾、韓国……画材や手法も多様化し(デジタルが増えた印象)、表現の幅が広がっており素晴らしかった。
私の中のイメージ、アップデート。
(こちらは今展覧会のビジュアルイメージ。カラーのみしばりかな?作家が変わればイメージもガラリと変わる)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/33/0c/j/o1080108015332070340.jpg?caw=800)
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8/3
おばあちゃんの暮らし、孫をみつめる眼は、生きることの切実、慈しみと祈りに満ちている。
亡き祖母の姿が重なる。
土間に差す光、厚い掌――
受け取ったものは私の中にある。
そのことがとても愛おしい。
◇『おばあちゃんのにわ』
(ジョーダン・スコット/シドニー・スミス/原田勝/偕成社)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/85/40/j/o1080108015332070347.jpg?caw=800)
ポーランドからの移民である老婆とカナダで暮らす孫を描く絵本。
記憶を呼び覚ます数々のシーン。
特筆すべきは手の描写。
手が語る。
想いを語る。
今作も詩人による綴り(訳文)、間合いが心地よい。
追われる日々に疲れ、大切なものを見失いそうなあなたに読んでほしい。
子どもと、大人に。
(表紙カバーを除くと、こんな表紙絵)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/c7/da/j/o1080108015332070351.jpg?caw=800)
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8/3
今は業界から離れているある人がかつて翻訳したという、テーマ性の高い海外絵本のゲラを読ませてもらう機会があった。
すごく、すごくよくて感動したのだけれど、当時タッチの差で?ある有名人(テレビにもよく出る)による日本語版が出されたらしい。
惜しいなあ
人も作品も、よいものは無数に埋もれている。
静かに埋もれている。
だけどちゃんとここにある。
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8/4
handy (⇠ユニット名)で絵を担当するにしむらゆみこさんは同郷同窓の先輩♪
『パンダのどすん ボクのおきにいり』、なんてかわいい絵本。
文章を手がけた娘のあいさんと3人で、未来屋書店大宮店 さんへ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/e4/a1/j/o1080080815332070355.jpg?caw=800)
つづいて絵本カフェ ルナール (浦和)さんへ伺いました。
想いを作品に、場所に紡ぎ出す人たち。
その仕事、その姿に勇気を得ました。
お話をさせていただいた皆さま、ありがとうございました!
にしむらゆみこさん、ご案内いただきありがとうございました!
絵本、最高だよね👍🏻✨
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☆『パンダのどすん ボクのおきにいり』
(handy にしむらあい、にしむらゆみこ/みらいパブリッシング)
甘えん坊のリンゾウ、さびしがりのリンゾウ、どこにいるの……?
たいせつな誰かを想う心、ともに生きる喜びを描きます。
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8/4【読書会】
夜、本の長屋(高円寺)にて、『フリーダ・カーロの日記』(フリーダ・カーロ 著/堀尾眞紀子 解説/星野由美、細野豊 訳/冨山房インターナショナル)を読む読書会を行いました。
こちらの読書会は、「なんとなく目を逸らされがちな〈ジェンダー〉を読み、語る会」と題し、対話と記録を目指すシリーズとして企画・主宰するものです。
ゆっくり、じっくりと取り組んでまいります。
一冊目の課題本として、今年5月に刊行されたこちらの本を取り上げさせていただきました。
ゲストの星野由美さんが翻訳家として長年(20年以上)取り組んでこられた本書。
メキシコを代表する近代画家フリーダ・カーロ(1907-1954)の生の声、最後の10年、痛みの中で彼女が描いた祈りと叫びの跡がここに印されています。
"人間フリーダ"、"芸術家フリーダ"を読み解くにあたり、星野さんからは数多くのサジェストをいただきました。
また参加者の皆さま――異なる経験と属性をもつ人々の読み、深い考察に触れ、「内側」と「外側」に向かう思考――読書の可能性にあらためて感じ入ったしだいです。
(フリーダ・カーロの人物像、マルクス主義、唯物弁証法、メキシコの政治と芸術、教育、当時の日本、中国やアメリカでの出来事や文化的社会的背景……話題は縦横無尽に拡がりましたが、かみくだいてくれる専門家のおかげで面白かった!)
星野由美さん、皆さま、ありがとうございました。
至らぬ点多々あったかと思われますが、またぜひご一緒いたしましょう。
以降もお世話になります、本の長屋(運営)狩野さんにお礼を申し上げます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230831/10/bokurano-ehon/0d/03/j/o1080108015332070367.jpg?caw=800)
8/7
出漁する船、波打ち際で遊ぶ子ども、散歩する恋人たち……
うみって ほら、ふしぎな であいが あるでしょう?
打ち寄せては離れ、また打ち寄せるあの面影。
海はかわらずいつもそこにあって、
波はあらゆる記憶を抱擁する。
帰る夏
還る夏に
◇『なみのいちにち』
(阿部結/ほるぷ出版)
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8/8 【詩集をよむ】
先日の読書会ゲスト星野由美さんは、スペイン語圏の本の翻訳を数多く手掛けられています。
こちらの『ホセ・ワタナベ詩集』(細野豊、星野由美 共編訳/2016年 土曜美術社出版販売)もそのひとつ。
「ありえないほど滑稽な結果となった悲劇的な詩」と題されたある家族の夏の詩が好きで、また開く夜。
〈わたしの家族に医者はいない
司祭もいなければ訪ねてくる者もない〉
からはじまり、
〈目立ったこととて何もなく
目立ったこととて何もなく。〉
で終わる詩。
真夏の眩しすぎる太陽の下、
いつかの記憶のような…儚い気配を纏った詩。家族の詩。
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8月になると井伏鱒二の詩「魚拓(農家素描)」を思い出す。
長男戦死 次男戦死 三男戦死
これをまとめて供養する》…
百姓家の仏壇に3人の息子の位牌。
明日は法事。お供えは甘辛く煮た玉蒟蒻、赤い南天。
野良仕事の踵は酷くあかぎれて、それを女房が糸と針で縫い合わす。
枕屛風には、生前の息子たちが釣りで大物を競った魚拓が貼られている――。
戦争は奪い去る。慎ましくささやかな、ばかみたいに小ちゃい幸せもすべて、一分の赦しも与えずに奪い去る。
井伏鱒二作品にみる当事者の体感、記録者としての目。
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8/10
文字のない〈サイレント絵本〉。
物語はあわや…という場面からはじまる。
登場人物の安堵も渇きも、水中生物の闘いも――大自然を舞台に繰り広げられる生命のドラマだ。
演出は読者の胸に委ねられている。
喧騒と静寂に満ちた
なんて美しい世界。
☆『しま』
(マルク・ヤンセン作/福音館書店)
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ハリー・ポッタースタジオ
魔法の世界は楽しい。
映画の裏側にある仕事が解説されているので、もの創りが好きな人はハマると思う。
ホグワーツの教員、という設定で参加してきました。
地球の変化を感じる夏。
水分塩分しっかり摂って、みなさまどうかお気をつけ下さい。
絵本コーディネーター東條知美