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〈ああ!そのくちづけの、なんてつめたいこと〉 

 

女王の虜になってしまうカイ。

彼を探すゲルダ。 

 

心を惑わせるトラップ、運命の分岐点は至るところにある。

 

 「でも、あきらめるもんですか」 

 

・・・

 

 

『雪の女王』には5人の女が登場する。

(ここに注目。)

 

女王の圧倒的な力、ゲルダの芯の強さ、山賊の娘の豪快……

 

いま読み返せば、強い存在として描かれる女たちにもそれぞれの「弱み」があり、そこにそれぞれの圧倒的な人生があったであろうことを、思わずにはいられない。

 

◇『雪の女王』(アンデルセン/ナオミ・ルイス文/エロール・ル・カイン絵/内海宜子役/ほるぷ出版)

 

 

エロール・ル・カインの描く美しい世界。 (長文に絵が添えられた形の「絵本」です) 

 

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暖かいマフラーをもとめ、はりこちゃんは街へ。

 

 気をつけていたつもりが、車にはねられてしまって……!? 

 

〈だれかが けがをしていたら たすけてあげるのは あたりまえだろう〉 

 

優しい言葉がしみる朝。

 

 

☆『はりねずみのぼうけん』(ディック・ブルーナ文絵/まつおかきょうこ訳/福音館書店)

 

 

うさこちゃんの絵本シリーズで知られるディック・ブルーナが手がけた〈おはなし絵本〉シリーズの一冊です。 

 

小さな子どもに向け、「車の多い通りでぼんやりしないでね」のメッセージ。

それ以上に、「傷ついている人を見ないふりはしない」......「あなたもそうでしょう?」と語りかける絵本。

 

 

 

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じきに節分ということで、マイフェイバリット〈鬼絵本〉を。 

 

団地前の公園でデカパンを拾った少年の異世界体験。 

作品に流れる圧倒的なスリル、このスピード感よ! 

隅々まで緻密に描き出した絵面の強さよ! 

 

さんざんハラハラさせられるも、「行きて帰りし」物語。 

 

オチも最高です。

 

 

 ☆『だれのパンツ?』(シゲリカツヒコ/KADOKAWA)

 

 

 

笑ってハラハラしてホッとして、妥協のない絵に感動……

何度読んでもすごい。

 

 子どもよ、これが大人の本気のおふざけだ!

 

寒くてションボリしてたけど、なんか力わいてきた。いい絵本が傍らにあるとちょっと(・∀・)イイネ!

 

 

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写真絵本をご提案すると「それも絵本?」と聞かれることがあります。

はい、もちろん♪ 

 

〈おさるさんは、ぽっかぽかが だいすきです。〉

 

 雪の中、湯はしみじみとありがたい。

 

はあ~♨

 

お猿さんの表情、必見ですよ。 

 

 

☆『ぽっかぽかだいすきおさるさん』(福田幸広/ポプラ社)

 

 

実写だからよりわかること、伝わることがあります。 

 

写真家の福田幸広さんは後書きにこう記しています。 

《よく観察していると、どのさるも暖かな場所を求めて動いている》 

 

風呂、暖かい石、お日様のあたる斜面の木、それから母さんの膝の上......

それらの(写真家の)新鮮な発見もまた、詩のような文章の中にきらめいています。

 

 

好きな写真絵本(科学絵本や知識絵本でも)についてわいわい語るやつ、やりたいな。 

読んで比べて子どもたちの反応も見てきた。「〇〇だからよい」を知った。 よい絵本のつくり手は周りにいる。もっと光があてられてほしい。 

どうすればいいのかなって考えてるうちに去年が終わってしまった。 やるか

 

 

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幼稚園かどこかで読んだのに違いない。この絵本に再会した時ふいに胸が高鳴った。 

 

「好きなものを選べる!」……

 

所狭しと描かれたパンのページは、幼い私を(何度でも)非日常の、思いきり自由な世界に導いてくれた。

 

 

 あなたはどれが好き? 

 

 

☆『からすのパンやさん』(かこさとし/偕成社)

 

 

『からすのパンやさん』(加古里子 絵、文/偕成社)初版は1973年。 

今年刊行から50周年を迎えます。 

 

子どもにとって、「たくさんある」パンやカラスが印象的な絵本。 

 

かこさとしさんは、 

〈この世界は多様であり、自分はそのどこか端っこにいる〉『未来のだるまちゃんへ』(文藝春秋)に記しています。

 

 

 

「選ぶ」といえば…… 学校勤務の頃、図書館で「好きな本を選ぼう」と(担任)に言われた際、どれだけ時間をかけてもアシストをしても「選べない」子どもがクラスに1~2人はいた。 

かれらに共通していたのは「選んだものが親に受け入れられないかも」という不安。 

選べないことが、苦しそうだった。

選ばせて、認めてあげてほしい。

 

 

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ちいさな子どもにとって雪は、世界を一変させる魔法なのかもしれません。 

 

雪を全身で味わうピーターの様子は、原始的な悦び、新鮮な驚きに満ちています。 

 

美しいコラージュの技法が施された絵本。 

 

思わず胸に抱えたくなる――私のたからもの 

 

 

◇『ゆきのひ』(エズラ=ジャック=キーツ作/木島始訳/偕成社)

 

 

原作1962年。 

 

 

〈“主人公を黒人の子どもにしたのは、それまで白人の子どもたちのよさを示す、ほかの人たちの本の挿絵ばかり描いていたからです。 それで自分の本では、黒人の子どものよさと美しさを示し、それをみんなでわかちあいたかったのです”とキーツは語っている〉

―光吉夏弥編『絵本図書館』より

 

 

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1月がおわります

 

 

子どもの頃から気管支が弱く、一度風邪をひくと永遠と思える咳がつづいてしまうのですが、この度はほんとうにつらくて健康の大切さを思う以上に、アイアム・ダウナー(弱気のかたまり人間)って感じでした。今は元気です。

 

AIで自分のアバターをこしらえてみたのですが、

 

面白いな。

 

 

そんなことより

 

今シーズンはじめての雪がちらつきました。

 

この写真は、はじめて雪を見た日の我が子(19年前)です。

新鮮なおどろきに満ちています。うらやましい限り。

 

驚いたり感動できる感受性を持ち続けていれば、人生はきっと楽しいぞ。

 

 

いろいろありますが、みなさまもどうぞご安全に。

 

機会がありましたら様々な感動体験、ぜひご一緒できますように。

 

ごきげんようクローバー

 

絵本コーディネーター東條知美