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☆『くんちゃんのはじめてのがっこう』(ドロシー・マリノ作/間崎ルリ子訳 ペンギン社)
この春「はじめの一歩」を踏み出す子、親、そして先生に。
〈ぼく がっこうへ いくんだよ〉
誇らしさと期待、不安と緊張に包まれた初日の物語。
見守る大人たちをお手本にしたいと思えるような一冊です🌸
入学の朝、学校に着くまではお母さんと一緒で勇気りんりんのくんちゃんですが、入口では思わずお母さんにすがり、教室の椅子に小さく縮こまって、授業中になんと脱走してしまうというハラハラの場面も。
でも大丈夫!
安心してね、とのメッセージがこめられています。
原書1970年発、日本語版1982年発のロングセラー作品。
やわらかタッチのペンでいきいきと描かれる、くまの子の日常風景と「特別な一日」。
黒ペンの他にはたった一色(薄い茶色)。
地味?…いいえ!同じ年頃の子にとっては、「くんちゃん」に自分を重ねてドキドキと安心が味わえる、真に迫った読書体験となるはずですよ♪
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〈あの日――、わたしは、じいさんと舟にのっていた〉
……
◇『よあけ』(あべ弘士 作 偕成社)
猟師の祖父と川を下る少年。
少年が見た大いなる自然、聖地への畏敬、焚き火の元で聞いた祖父の昔語りが、壮大な景色と共に綴られます。
舞台は極東シベリア(ロシア)。
この地を北方民族ウデヘの人々と(猟師小屋に寝泊まりしながら)旅したという作者。
ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』(1977年 福音館書店)へのオマージュの意味を込め、
これと同様に(唐の詩人)柳宗元の詩「漁翁」をモチーフにし作られたという
あべ弘士の『よあけ』(2021年 偕成社)。
シュルヴィッツのよあけに感じる圧倒的な静けさと美。
あべ弘士のよあけに充つる力、命への畏敬。
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冬の間は地面に伏せて寒さや風をしのぐたんぽぽ。
今足元を見れば、鮮やかな黄色い花をあちらこちらで咲かせています。
綿毛を放つ前、空に向かってもっとも高く伸びる……
そんなたんぽぽの一生を、細やかに美しく描き出す絵本
☆『たんぽぽ』(荒井真紀 文、絵 金の星社)
頼もしいぞ。
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昼間、所用あり早稲田のNenoiさんへ。「入りました」と差し出されたのは……
◇『ぞうのマメパオ』(藤岡拓太郎/ナナロク社)
多くは語りませんが7回吹き出しました。
あの場面はもしや、ぐりぐらへのオマージュだろうか(いや違うか)
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4/15
命が入っている。
おいしい食べ物にもなる――
卵は、想像力を掻き立てるモチーフです。
鳥もカエルも大昔の恐竜も、みんな卵から生まれる。
そのことをやさしく教えてくれる、実に美しい“自然科学系アート絵本”🥚🔭
☆『たまごってふしぎ』(アリス&マーティン・プロベンセン作/こみやゆう訳 講談社)
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4/19
あたらしい世界と出会う季節🌷
この絵本には、指でお話をする隣人が登場します。
手話について学ぶのは高学年になってからですが、いろんなお友だちと仲良くなるためのヒントがここにありますよ。
見返しで紹介の22の手話、さっそく覚えたいな♪
☆『ともだち』(くすのきしげのり作/よしむらめぐ絵 小学館)
絵本コーディネーター東條知美