お仕事のこと。
呟いていたところ長文になってしまったので、こちらにまとめました。
わりと頻繁に、「絵本コーディネーターと学校司書、どちらが本職?」と聞かれます。
どちらにも同じ背骨が通っています。
コツコツ…ただコツコツコツと、願いながら続けています。

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(呟き まとめ)

何でもそうだけど、学びに終わりはない。
増えていくだけ。
1ジャンルをとことん学び何かの形に活かそうと考え始めると、他に(例えば)6ジャンルの基礎知識が必要なことに気づいてしまう。
学校図書館 の司書業務もまさにそれ。
(私の場合は、それに気がつく前の自分をゼロに戻して再構築する必要が、かつて一度あった。)

仕事の専門性を高めようと思うと、好きなだけでは叶わない。
出版業界にいたから…
絵本や児童書に詳しいから…
先生をやっていたから…
でも敵わない。
学校司書には独自の学びの積み重ね・日々変化する現場(と地域)&児童生徒を知ること・身通しを立てて連携するスキルが求められる。
しかも多くの場合限られた時間と権限の中で…!
それでも私は、司書の仕事にますます意義を見出している。
現場における支援の可能性を感じている。


以前司書として勤めた専門学校には「本嫌い」「図書館は緊張する」という学生さんがけっこういた。
(調査によれば世の中の8割は"読まない"のだ)

幼稚園や保育園の仕事を目指す彼らが「読むのが苦手」だと、大切な仕事のツールとなる絵本を選べない、資格取得のための参考書が読めない、レポートが 保育計画が 実習日記が 書けない、お礼の手紙もコピペに頼るが応用がきかない……
夢を断念し泣きが入るパターンをたくさん見てきた。
一緒に泣いたこともある。


彼らとの日々で「学童期が肝」とつくづく感じた。
学童期にいかに本に親しみ読解力を身につけるかで、その後の学びの質や効率(*必要な場合)にかなりの差が出てしまう。
家庭環境による差を埋められる可能性は、彼らが学校の中で過ごす時間にある。
それで
小学校の図書館に司書として勤めることにした。

学校図書館には、"教育の機会の平等"があるはず。なんたって
☆読書センター
☆学習センター
☆情報センター
の機能を国が法律で定めているのだから。

学校司書なら、教科書の把握・学習指導要領の理解はあたりまえだ。
子どもたちの可能性の保証に寄与できたら。

予測不可能な未来に向け、私に何ができるだろう?いつも考えている。


司書研修で講師を務めることもある。
「自分を疑おう」と繰り返す。
教育のICT化が進む中、紙の資料(本)とタブレット両用の意義を理解する「情報」の媒介者であること、
実学思考の中「物語」を読むことの意味を知ること、
児童生徒に対する適切な配慮ができているだろうか?…etc.

自信過剰な司書は落とし穴にはまる。
自分を疑うこと。

教育の現場も社会も日々変化する。
子どもたちとメディアの関係も、昔とは違ってきている。

研修を通して再構築、明らかにそれまでよりも一段上のプロと化す60歳オーバーの司書がいる。

私はこういう司書を心から尊敬します。



東條知美