第8回 絵本の100年と未来研究会 「絵本とジェンダー」
年内には既に決定していたテーマですが、このところの #あたしおかあさんだから 騒動も相まって、当研究会ホームページに多くの方が訪れる...という予想外の出来事がありました。
今回はこの話題に触れつつも、
「個人や個別作品にのみ焦点を当てるのではなく、
“イマココ”の意味と絵本のこれまでとこれからを考えよう」がコンセプト。
メンバーそれぞれの切り口から提起される「絵本とジェンダー」を皆で考える有意義な時間となりました。
初参加のゲストに、絵本作家のもとしたいづみさん。
書き手そして(かつての)編集者としての視点も鋭く、ありがとうございました。
マンガ家の内田かずひろさんは再びの参戦。
朝日連載マンガ『ロダンのこころ』に秘めたる「家族観」「ジェンダー」の見せ方とは!意外な事実をありがとうございます。
―― 参加メンバーによる切り口 ――
明治時代に始まる少年雑誌の流れ
1900年 スウェーデン『児童の世紀』(エレン・ケイ)以降の世界と日本
明治以降の「女性」「母」、「子ども」の人権と政策
女性の生活意識調査、中学生のジェンダー意識調査...データから見えてくるもの
子どもの日常・教育現場で見た「ジェンダー」
「絵本」まわりの男性はどう?
かなり新しい?若者のジェンダー観
書き手からみた家庭内性役割、女の子・男の子
メディアが煽る「憧れのスーパーウーマン」あるいは「母なるもの」
トランスジェンダー
様々な家族の形
アメリカ名作絵本にまつわる「ジェンダー」エピソード
ジェンダーの視点で古今東西の絵本を読んでみよう
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「女子」「母親」がどのようにして今日に至るのか?
歴史的あるいは政策的なことを知れば知るほど、「女性の権利は子どもの権利とセット」という事実がおのずと浮かび上がってくるのでした。
また、
「ジェンダー」を意識しながら絵本を読む作業=新しい視点を獲得できる貴重な体験...という実感もできた今回。
なぜあの時代の絵本にあのシチュエーションを多用?
なぜ良質な「ジェンダー」絵本が絶版に?
なぜ今、 #あたしおかあさんだから が炎上?
これからどんな「ジェンダー」絵本が出てくるのか?
・・・ 100年昔の社会から(児童観・女性観・家族観・政策等を含む)丁寧に紐解き、世界と比較しながら“イマココ”と“ココから”の絵本を考えることは、作り手として、また手渡す者として意義のあることなんじゃないかと思います。
3/8 国際女性デ―を前に、「ジェンダー」に取り組んでおられる新聞社も取材にいらっしゃいました。
にしても、
考えるべき小テーマがありすぎて、とにかく今回は「提起」(ネタ出し)が中心となりました。
次回「絵本とジェンダー」続編に向けて議論を深めていくことに。
ご報告は後日、絵本の100年と未来研究会ホームページにて。
乞うご期待!